無色彩's
@Kai_spoon
白イ編
月夜に輝く長くそして白い髪、カノジョは屋上のフェンスに寄りかかり静かにキセルを口に運ぶと天高く白い煙を吐いた。カノジョは気だるそうに頭をかきながら「さて行きますかね…」と重い腰を動かした。階段を降りていくとそこには彼女の事務所があった。中に入ると中には1人の丸いメガネをかけ、黒髪に青の入った可愛らしい女性が座っていた。「彩ー戻ったよー」そういうと彩と呼ばれた女性は白イをみて「おかえりー」と一言だけ言った。彼女はこの探偵事務所の経理を担当している。カノジョはしばらくパソコンに向かっていると作業が終わったのか「帰ろっか」と言ってきた。うんと答え二人で家へと帰った。じゃあこの辺で彩はアパートに着くと隣の部屋を帰って行った。部屋に戻り何食おうかなーと考えているうちに疲れて寝てしまった。翌日2人は依頼されていた猫の捜索へ向かった。「猫ちゃんこっちおいでー」優しい声で近づくが直ぐに逃げられてしまう。その先に彩が待ち構えて居たおかげで猫を簡単に捕まえることが出来た。依頼主に猫を届けると白イは「腹減ったなー、彩飯食い行こうぜー」そう言うと彩は「じゃあいつもの喫茶店行こうか。」そういうと2人は行きつけの喫茶店へ向かった。カランカラン扉を開けると緑っぽい髪にワイシャツに黒いベストエプロンを着けた男性が立っていた。「黒ーいつもの頼む」そういうと黒と呼ばれた男性は準備をし始めた。揚げ物をする音がして、しばらく待っているとコーヒーとカツサンドが出てきた。「おまたせ」と言うと机の上に綺麗に並べた。そして彼は白イ達を見て呆れた様に言い放った。「お前らいつも来てんのによく飽きないよな」白イは出されたカツサンドを食べながら「美味いからいいんだよ馴染みの店の方が落ち着くしな。」そういうとボリボリと頭をかきながら黒はカウンターへと戻って行った。カツサンドとコーヒーを頂いたあと2人は事務所へ帰った。つけっぱなしにしていたテレビにはこの小さな町の町長の会見が流れていた。「私はこの町を全国で1番にしていきたいその為には…」どうでもいい演説を聞きたくもないのでテレビを消しソファーに寝転がった。そのままウトウトして寝てしまった。夕方頃電話が鳴りビックリしながら体をあげた。寝ている間に彩がかけてくれていたのかブランケットが地面に落ちた。彩が居ないのに気づいた白イは仕方なく自分で電話に出ることにした。「もしもし、コチラ探偵事務所白イ、ご要件はなんですか?」ひと時の静寂の後加工された声で電話の相手は喋り始めた。「5年前の事件、真相が知りたいのであれば駅前の喫茶店へ夕方5時に来い。」それだけ言うと一方的に電話を切られた。5年前の事件…それはまだ探偵事務所を4人でしていた時の話。黒、白、彩、そして灰という男が居た。5年前の雨がふりしきる夜3人はその時追っていた事件の犯人が分かったと灰から町で1番大きな木下に呼び出されていた。傘をさしながら向かった先には銃で撃たれ倒れている灰の姿があった。彼は既に冷たくなっており死んだのだと確信をした。重い現実を受け入れられなかった私は彩に連れられるようにして帰って行った。その後黒が発見者として残り警察の対応をしてくれたらしい。結局それをキッカケに探偵事務所を解散して、残った2人で改めて探偵事務所を開くことになった。そして何故5年経った匿名の電話で黒の店を指定してきたのか…その相手が誰なのか分からないまま。黒の喫茶店へ帰ってきた彩と向かう事にした。
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