第11話 高校生
高校生になってすぐ自宅での自粛が始まった。正体の分からない謎のウイルスが流行り、感染拡大しないために不要不急の外出をしないように言われたから私は高校が始まるまで家から一歩も出なかった。母が買い物に行ってくれたから時々食事を作るのを手伝ったり、顔も見たことのない担任から送られてきた課題をやる日々だった。
ずっと家から出ないからだんだん家の中の空気がピリピリし始めて嫌だった。でもそれはどこも同じだ。"今耐えれば"元の生活に戻る。そう思って耐えた。
一度、顔も性格も知らない担任から電話がかかってきて勉強しているか聞かれた。何も知らない人と話すことはとても怖かった。でも話す以外の選択肢なんて無い。「課題はやっています」と伝えた。
2ヶ月遅れて入学式で始まらない高校生生活が始まった。校内行事や宿泊がある行事は開催されなかった時のダメージを少なくするために始めから諦めた。
人数を少なくしての登校。みんなマスク。1学期で周りの子と話すようになるものの仲良くなった子は居なかった。
高校でのはじめてのテストは何百人といる中の下から10番くらい。特進にいたから私の周りはものすごく私の点数と差がある。私がクラスの平均点を下げていることが辛かった。恐らく自粛中の過ごし方を間違えたのだろう。勉強の量が少なかったのだろう。ストレス発散が夜更かしだったのもあって居眠りをして授業に付いていけなかった。
だんだん何もかもが嫌になり始めた。
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