第3話 いきなり鬼?

また土下座した神様が増えても鬱陶しいので目の前にある光に触れた。

とりあえず変化は感じないな。何がどう変わったのだろうか。

前回は光を背にして歩き出した死んだんだっけ。ならば光を越えてみよう。

下草が薄く、キノコの存在が確認出来るな。

たまご茸にそっくりだ

自然というよりも栽培の意志を感じる綺麗さだ。

しばらく歩くと道に出た。

道幅およそ2尋、舗装はされていないがよく踏み固められている。

轍らしきものもある。自動車の通行は道幅からしてどうかと思うが、馬車や荷車などはあるのだろう。

だが、人の姿は見えない。

もの静かな森の道を歩く事数分。

前方の空に煙が登り始め、獣の鳴き声がらしきものが聞こえ出した。

面倒くさいなぁ。

回れ右してもよかったのだが、万能の力とやらをポンコツな神様達が言っていたなと思い出したから試してみる事にした。

やがて木々は途切れ空間が広がった。

そこにあったのは燃える村と全長3尋くらいの一つ目鬼、その鬼の前に立ちはだかるちびっ子だった。


いきなりボスキャラって出鱈目だろ。さて、どうしますかねえ。コレ。

目元をコリコリかいていると、ちびっ子がこっちに走って来た。なんかどこかで見た事ある子だなぁと見ていると、目の前でいきなり土下座を始めちゃった。

ああ、さては神様のどれかか。下界に落ちた人が居たね目薬だっけ?

「ミズーリよ!」

心の声にツッコミ入れられた。

「お願い。あの化け物倒して!」

「君、女神様じゃないの?」

「女神の力は制限されてないけど、私には戦う力なんか最初から大して無いの。それは別部署の仕事。」

縦割り行政でもあるのか。天界。

「創造神様から聞いてるよ。貴方は万能なんでしょ。」

「とは言われてもなぁ。私は普通の文系だったし。」

「ぶんけでもほんけでもいいから。念じれば叶うの!」

「ハイハイ」

どうしましょうかね。何かこうかっこよくスマートに。まずは足払いとかで転ばして見ましょうか。

何となく右手で逆水平チョップを空中にかましてみた。なんでやねん。と

すると、アレだ昔の特撮映画にあったサイクロプスみたいな鬼の左足首が足から丸々斬れた。

「あれ?」

そのまま鬼は絶叫しバランスを崩して倒れた。大量の血が地面を染める。

「こら、モンスターの血は毒を含む事があるのにどうすんのよ。」

ここ村じゃん。

「それなら早く言え。ポンコツ女神。」

「誰がポンコツよ!」

「君。」

「ああもう。ああもう。ポンコツで良いから何とかならないの?」

「女神だったら清浄の魔法とかありそうですが?」

「あ、そうか。」

ポンコツ振りを再確認させられましたが。

倒れた鬼の頸動脈を空中チョップで斬ると息絶えたので目薬に清浄の魔法をかけさせた。

ついでに雨乞いの魔法で雨を降らさせたので火事も鎮火した。

一応それなりに能力は高い女神らしい。 


「で、これからどうすりゃ良いんだ?」

「どうしましょうか。貴方私と一緒に来てくれるのよね。」

神様ってのはこう押しが強くて図々しい奴しか居ないのか?さっきと随分と性格が違うようですが。

「何で私が君と同行しないといけないの?」

「!」

だから直ぐそうやって土下座しない。

わかったから一緒に行きますよ。

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