第49話
翌日。
昨日はラシュカのことで精一杯で話せなかったことを話すことにした。
俺とスティールは基本的に目が早く覚める体質のようで、ラシュカや、ルアはまだ夢の世界のはずだ。
「昨日ここをクランのホームにするって言ってたよな?」
「あぁ、確かに言ったな」
「それについて相談をしたい。みんなを呼んできてもいいか?」
「…それはまだだ。あやつらも新しい仲間に少なからず困惑しているのだろう。もう少しリラックスできる状態になっているのだから待ってあげるのじゃよ」
「そうだな…」
少し気を急ぎすぎているな。ゆとりを持って…落ち着きを持って…
「てかまだ深夜の3時だよ?なんで起きてるの?スティール?」
「そっくりそのまま返してやろうぞ。ケイト」
時刻を見たらまだ深夜の3時10分ほど。
みんなが起きていないのも当たり前な気もする。
「俺はこの体に従っただけだな」
もともとは惰眠を謳歌するのが大好きな男子高校生だったんだ。俺の意思で早起きなんてできると思うなよ。
…え?威張るな?…了解です。
「ワシはもともとエルフの血を持っておるからな。エルフは早起きなんじゃよ」
それが俺の早起きの原因でもあるな。
〜
適当な雑談をしていたらいつのまにか夜が明けて青空が広がってきた。
…ここそれなりに高所のくせに暖かいし、どうなってんだろ?
「ふぁ〜…おっ、いるじゃん。おはよう、お兄さん」
「よっ。おはよう」
意外にもルアは早起きである。
ラシュカはルアの1時間後に起きてきた。
そして、昼過ぎにはみんなの頭も平常運転し始めて、会議が始められるほどになった。
「さて、そろそろ話し合おうか」
「そうじゃな。早めに決めておくに越したこともないじゃろう」
議題は「スティールの工房を俺たちが使ってクランホームにするか」だ。
俺の意見はまとまったんだけどね。
少し掻き回してみたくもなっちゃった。
「僕は賛成、かな。ここなら聞きたところによると場所がバレることのない空間らしいからね。ここなら奇襲の心配も無くなってくるだろうし」
「…私も…カガクレさんが良ければ…」
確かに、ここは建物も広いし、場所がバレるような心配も薄い。最高の物件とでも言える。
…だけど…
「スティール。少し質問がある」
スティールも薄々感づいているのかもしれない。何も言わずに頷く。
「扉の量産はできるのか?」
そう、ここが一番のネックだ。
ここでの扉はここにくるための転移魔法の施された扉だ。これがなければ、ここにくることすら出来ない。
「そう、そこがもんだいじゃな」
俺たち3人はスティールの言葉を待っている。
「製造方法は分かっておるのじゃが、いかんせん材料が希少でな?今ある材料だと、今は作れないのじゃよ」
やっぱりか…
「ちなみに材料は?俺たちが集めることになるんだろうからな」
「いいのか?」
「もちろんだろ。俺はそもそもここをクランホームにするって決めてたんだ。旅をしながらここでひと段落して…そんなことできたら最高だろ?俺はお前らに余計な負担をかけてやるつもりはないからな」
「やはり、お主は"傲慢"じゃな」
そう言った顔はとても笑顔だった。
「それで材料は?」
「オリハルコンと、フェニックスの目、クロノスの涙じゃな」
「全部がすごいレアモノってことはわかるよ…」
ルアは開いた口が塞がらないかのようだ。
ラシュカも少し動揺している。
「よくそれが手に入ったな…」
「友人の伝手じゃよ」
「友人つっよ」
…でもまぁ、しばらくの方針も決まったことだし材料集め…できるのかなぁ…
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少しスランプです。短くてゴメンネorz
来週は投稿しません。
再来週には投稿します。
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