#18 彼女と友達の再会





朝早く起きイクミを迎えに出かけた。



イクミの家に着くとまずインターホンを押して到着したことを伝える。


「アカリ?ちょっと待って直ぐ開ける!」とイクミが応答してくれ、玄関から出迎えてくれる。



僕が玄関へ向かうよりも先に、イクミが僕に駆け寄り「おはよう!」と言って抱き着いた。

僕の恋人は、凄い美人で、元気一杯で、そして愛情表現に遠慮がない人だ。


『汗かいてるから、臭いよ』

と答えながらイクミに手を引かれ玄関に入ると


「汗臭くても平気だよ♪ 今日は走って来たの?」

イクミはそう言って、ランニングウェアの僕の全身を眺める。


『うん。軽くだけどね。イクミがウチまで歩きで来るって言うから、今日は自転車は置いてきた』


「じゃぁ、私も運動出来る服装のが良かったかな」


『いやいいよ、ゆっくり歩くし。それに今日も僕好みで、素晴らしいです』

そう言って、今度は僕がイクミの全身を眺める。


今日のイクミは、上はラフなパーカーに、下はヒザが見える丈のフレアスカートで脚は黒のタイツ。

タイツに包まれた長くて引き締まった脚に、どうしても視線が向いてしまう。


「ホント?じゃぁこのままでいっか」


『で、どうする?ミワが来るの10時頃の予定だからまだ余裕あるけど』

時計を見ると、まだ8時前。


「う~ん、先にアカリのウチに行っとく。ミワちゃん来たらイチャイチャ出来ないだろうし」


『了解。んじゃ行くか』


「あ、待って、その前に」

そう言って、もう一度僕に抱き着き、今度は僕の口にキスして舌を絡ませる。


口を離すと、えへへと笑うイクミがとても可愛くて、僕からもキスして舌を絡ませる。



すると、今度は困ったような顔になり「朝からキスばっかしてると、したくなっちゃうな」と。

一昨日、昨日と何度もセックスしたせいか、どうもエロスイッチが入りやすいようだ。



で、結局

「やっぱり、ちょっとだけしてから行こ!」と言って、イクミの部屋に連れて行かれ、朝っぱらから本日の1回戦目を致しました。

まぁ、僕もイクミのタイツに包まれたおみ脚を見た時からムラムラしちゃってたので、大歓迎なのですが。






イクミの家から僕の家までは、徒歩だと30分程度。

僕の方は後遺症の残る脚の訓練と思えば特に苦にはならないけど、イクミも流石現役運動部、この程度のウォーキングは全然平気そうで、手袋をした手を繋ぎ楽しそうにお喋りしながら歩いた。


イクミも僕も朝食がまだだったので、コンビニに寄っておにぎりやらサンドイッチ、お茶を購入して、再び歩き始める。



ウチには9時半前に到着。


中学時代、イクミは数回ウチに来たことがあるので、懐かしいのか家の中をキョロキョロしていた。

母親に、イクミを彼女だと紹介すると、中学時代に来た時のことを覚えているようで「あー!前にウチに来てたね~」と懐かしんだ反応だった。

イクミも「ご無沙汰してます」と丁寧に挨拶をしてくれた。


母親に『後からミワも来るから』と伝え、自室にイクミを案内した。



部屋に入るとイクミは真っ先に「卒アル見せて!」と言って、本棚にある中学の卒業アルバムを引っ張り出した。


二人で肩を並べて座り、先ほど買った朝食を摘みながらアルバムのページを捲くり、「懐かし~」とイクミははしゃいでいた。


イクミは3年の途中で転校したから、中学の卒業アルバムは初めて見るので、本当に懐かしそうだった。

そして僕の個人写真を見つけると、スマホを取り出してそれを写真に収めた。


「私の記憶の中のアカリ、そのままだなぁ」とちょっとしんみりしていた。


そのタイミングでミワから着信があり電話に出ると「今から家出るね」と。




ミワはウチに着くと「おじゃましまーす」と言って、返事が無くてもいつもの様にそのまま上がって僕の部屋まで直行する。


で、ノックもせずに「アカリー」と言いながらガラっと扉を開ける。


ここまで猫被ってない素のミワだったが、イクミと顔合わせた途端「い、イクミ、久しぶり・・・」と急にトーンダウンし始めた。


イクミの方は、そんなのお構いなしに「ミワちゃ~ん、久しぶり~」と泣きそうな顔でミワに抱き着いた。


ミワが緊張しているのが解ったので

『おいミワ、なに緊張してんだよ。てかなんでお前オシャレな格好してんだよ。初めてみたぞミワがオシャレしてるの』とからかってやった。


それでミワが「うるさい!」と怒ると、イクミは噴き出して「ホントにアカリとミワちゃんが仲良くなってる!」と嬉しそうにケタケタ笑った。



過去にこの3人が顔を揃えたのって、イクミが引っ越ししたあの日だけで、あの時は楽しい雰囲気じゃなかったし、僕もまだミワに嫌われてた頃だったから、こんな風に今3人で楽しく笑いあう状況に、ちょっとした感動を覚えた。




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