#  14





友は僕の弟妹二人を抱えて、全速力で駆け出した。





体力が自慢のたくましいやつだ。





あの頼もしさが、すごく心を落ち着かせてくれる。




















再び、消えた魔の物の位置から










少し距離を取り構える。




















!!!!!!







里の者「き・・きゃぁあああああ!!!!」


   「本当に・・・この世のものでは・・・・ない」
















はぁ・・・


まだ、迷い込んだ里の者が・・・









「もういい加減にしてくれ!!何だっていい!!みな里に居ろと・・」












里の者「私は・・・初めて目にしました・・・。里の・・・ケホッ」








苦しそうにしながらも話し続けようとする彼女に


少しわずらわしさを覚えてしまった時、





「息が続かなくなるだろう?君も早く里へ!」

















里の者「ケホッ! 里にいる<>を持つ者ならば、


    あなたさまのお力になれますよね?」





そう聞いてきた。









「は?」










里の者「私はそう教えを受けました・・・!」





そう言ってこちらに背を向け、



掻き上げた髪の下、彼女の首元には



<七>の文字。











「間違っていますか?」と問う彼女。




















確かに、後方から波動をまとわせた矢を放てる


>の力を持つ者が、


居てくれたらとても心強い。











それを知っているのか・・・。











僕が


「あぁ、それは・・・とても助かる。」


とだけつぶやくと、




















里の者「よかった・・・。」





   「私は、今この場では何も出来ませんが、


    里に居る、力を持つ者にしらせに行きます!


    どうかそれまで、こらえてください。」






   「それでは、ご武運を。」






そう言って彼女は走り去った。







見たこともない、里の数字(力)を有した人間。








名前も知らない、彼女の言葉に、



何だか背中に大きな柱を



打ち立ててもらったような気がした。













少しばかり、希望を抱いても





良いのだろうか・・・











・ ・ ・ ・



























 






















あれからどれほどのときが経ったんだ・・・?











少し里へ近づいてしまっただろうか・・・?








こうなったら・・・





直接、魔の物を拘束こうそくできるくらいに


こちらから限界まで近づかなければ・・・。














魔の物が、


どこへ、


どの速さで現れるのか、


予測は不可能。








しかし、人の里へ近づかせないために、





後退してはいけない。














決して後退は、











しては 











ならない。








きっと弟たちは大丈夫。








大丈夫だ。








友にたくしたんだ。









唯一の友に。










やってみせるさ。






いち>を継承けいしょうする者として。









まもる者として・・・。





















































続・・・・・・









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