第12話
正直可哀想ではありますが、私はこっちの2人の味方なので、次頑張れ!としか思えませんわ。
キャロル様は顔を歪め、早足で去っていかれました。
そして私たちは今日だけは学食サロンに向かいました。
普段誰でも利用するのが学食講堂ですが、学食サロンは公爵家、王家が常に利用を許可されている場所。たまに2人と利用させてもらっているので私もパスを頂いている。もちろん2人と一緒の時だけですが。
「アイシャ、デイヴ、おめでとう!!」
私は興奮冷めやらぬまま2人に声をかけます。
「サリー、ありがとう…でも、デイヴ。よかったの?」
「サリー、ありがとう。大丈夫だよ、アイシャ。父にも了承を得た。クルーディス公爵とも話しは出来ている。
順番が前後してしまったし、こんな場所で言うのは申し訳ないが、アイシャ・クルーディス公爵令嬢私と婚約していただけませんか」
「……はい。喜んで」
あぁ、私は幸せいっぱいだけどこんなところに居ていいのでしょうか。なんだか2人だけの方がもっと雰囲気がよい気がするのに…
そんなことを思って、少し距離を取っていると微笑みあっている2人が私のほうを向きました。
「サリー、こんな流れで言うのはなんなんだけど、今度のパーティーのエスコートを俺の友人に任せてもらえないかな。そいつも相手がいなくて、相手を探しているんだ」
なんの流れかわかんないけど、私のエスコートをあてがって頂けるのなら、それはご厚意に甘えさせていただきたい!
「ぜひ喜んで」
「よかった。じゃあ当日迎えに行くように伝えておく。ドレスとかは必要ある?」
婚約者がいる場合、パーティーの際、ドレスを贈られることもあるが今回は婚約者ではないので必要ないと答えました。
特に今回は我が領の織物の新作があるので、パーティーでぜひお披露目したいところなのです。
これでパーティーの憂いも消えて、幸せな瞬間も目の前で見れて今日は幸せな一日になりましたわ。
ごちそうさま…
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