僕を刻むモノ
山浪
1
2002年3月18日
第一志望の大学から不合格通知が届いた。
僕も親も直ぐには言葉が出てこなかった。
1次試験では、A判定だったのに……
なんで??
理由を考えてる内に頬を涙が伝っていた。
親からは、浪人して来年もう一度頑張りなさいと言われた。
ごめん、ありがとう……と言って家を出た。
仲の良い友達は、みんな既に私立に推薦で決まっていた。
だからといって、僕が浪人したくなと言って第二志望の私立の大学に行くことを親が許してくれるわけがない。
人一倍世間体を気にする人たちだから、息子が二流大学に入学するなど受け入れられないだろう。
あーーどうしようか
いっそのこと死んでしまおうか
今死ねたらどれだけ楽だろうか
もう受験のことを考えることも、受験勉強を理由に分かれた彼女のことも、自分の息子を自分たちの功績の一部にしたがる親のことも考えなくていいのだから……
とりあえず、お菓子を買ってどうするか考えよう。
コンビニまではあと少しだ。
え??
いきなり横から体に強い衝撃を加えられて、僕は宙を舞っていた。
そして、コンクリートに強く叩きつけられてた衝撃で意識が照明を切った時のように消えた。
目を覚ますと僕は四角い箱の中で寝ていた。
縁起でもない…
これだと死人みたいじゃないか!!
だけどやけに小さい箱じゃないか
僕は起き上がってその箱を上から見てみた。
うわっ!!
なんだこの体……
骨しかないじゃないか……
どうゆうことだ?
本当に僕は死んでしまったのか??
周りを見渡してみようと思って立ち上がったら、四角い箱の天井を通り抜けた。物体を通り抜けたことにも驚いたが、それよりも自分の体が見えないことに衝撃を受けていた。
幽霊だ……
愕然としていたら、黒い服を着た人たちが順に僕の前に来て、手を合わせて帰っていく。
なんと、僕の葬式をしていたのだ!!
両親は、端っこの席で涙をこらえるようにうつむいていた。
学校の先生や友達も来ていて自分の葬式だと実感した。
そして、意外とみんなが悲しんでくれているのに気づいて、少しだけ申し訳なく思った。
おそらく交通事故で死んだのだろう。
だから、自殺ししたわけじゃないけど、自殺しようかか考えてたこともあって、死んだことに安心感を抱いている自分もいた。
そんな自分に嫌悪感を抱きつつ、僕の葬式をみんなの上から静観した。
そして、葬式が終わった頃に僕の意識は段々と消えていった。
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