平成初期生まれがハマったオカルト&ホラーや子供時代を振り返る

コウキシャウト

平成初期生まれがハマったオカルト&ホラーや子供時代を振り返る

1.はじめに

今回はテレビっ子だった90年代・2000年代前半の小学生時代を中心にそれらにハマったきっかけ+ハマったもの+少しだけ恐怖体験を振り返りたいと思います。


2.幼稚園・小学校低学年時代(90年代中盤~)

①アニメ関連


この頃、主に幼稚園に行く前観ていたのが「ポンキッキーズ」(夕方時代もなんとなく記憶アリ)。その中で放送していたのが「花子さんがきた!!」でした。実は怖いという感覚はそこまで無く、有名な包帯グルグルなミイラ風の「トンカラトン」や変な声の3つ目モンスター「メケメケ」といった個性豊かなバケモノや、団地の幽霊を見たら人間が次々飛び降り自殺する「死にたくなる団地」、寝てる間に体を切る「さっちゃんのうわさ」、花子さんが助けに来ない(!)「赤い靴の女の子」「人食いランドセル」(前述の「トンカラトン」もこのタイプです)、不気味なような感動するような「地下に止まるエレベーター」「逆上がりを手伝う幽霊」等バラエティに富んだエピソードの数々に単純に虜になっていったのでした。



また、花子さんとホワホワの声を除き、時に女の子の「キャ~」という悲鳴も野太い声で演じる伊武雅刀さんによるナレーションと登場人物ほぼ全ての声が何より強烈で、これらをきっかけにビデオを借りたり色々なエピソードを観たり、単行本を購入したり本屋で立ち読みするようになりました。


ちなみに、当時買ってもらった単行本がこちらの第一巻。この本、表紙の花子さんと相棒ホワホワのイラストの部分に夜光塗料が塗られており、暗闇でも光る感じになる凝った作りでこの部分のザラザラした触り心地も印象に残ってます。


アニメでお馴染みのエピソードもそれなりに楽しみながら読んでいたのですが、何よりショッキングだったのがエピソードとエピソードの間に挟まれた花子さんとは直接関係ない短編ホラー漫画。青木智子さんによる正確なタイトルは分かりませんが「深夜のブランコに生首が乗っかっている」話と最後のコマ(「のりこぉ~」)がまた強烈でした。


ほぼ同時期アニメでそれなりに観ていたのが第4期の「ゲゲゲの鬼太郎」と「地獄先生ぬーべー」で、これらも結構楽しんでました。ぬーべーはろくろ首でカンニング魔の女の子、鬼太郎に関しては、当時ダウンタウンのパロディの「ダダダのダウン太郎」もなんとなく記憶に残ってます(笑)。


そして忘れてはいけないのが丁度この頃始まった「名探偵コナン」「金田一少年の事件簿」。ホラーやオカルトとは余り関係ないと言えば関係ないのですが、コナンに関しては初期は第一話の「ジェットコースター殺人事件」はじめショッキングなものも多く、中でも「山荘包帯男殺人事件(前編・後編)」の殺人、体型含む犯人の正体はかなりのインパクトで、サイコホラー・サスペンス物にも相通じる世界観が展開されていました。


アニメ映画で言えば、一番最初に観た「クレヨンしんちゃん」の映画はホラー要素が強いと言われる「ヘンダーランドの大冒険」で、いつの間にか人形になってるひろし・みさえや、静まり返った夕暮れの人気のない静まり返った遊園地は不気味に感じた記憶が有ります。


②ドラマ関連


木曜夜20時に放送していた「木曜の怪談」シリーズは頻繁に観ていました。なかなか再見する機会が無い作品な為記憶が曖昧なんですが、タッキー&翼の「怪奇倶楽部」、当時はタイトルは知らなかったものの宇宙人のビジュアルが印象的だった「MMR未確認飛行物体」、時々放送する単発ドラマはどれも好奇心を掻き立てるものでした。当時は怪談という言葉の意味や漢字が分からなかったり、映画「学校の怪談」シリーズも人気だった事も相俟って


学校の怪談=学校の階段   木曜の怪談→木曜の階段


と勝手に解釈し、階段という場所=怖いと勝手に考えていたのも懐かしいです。SF寄りですがSMAP香取君主演の「透明人間」も欠かせません。


③自分の家関連(子供の頃少し怖かったもの)


幼稚園児から小学生に変わる頃、大好きだった母方の祖母が亡くなりました。リアルタイムだったか後年に聞いた話だったかは思い出せないのですが、祖母が亡くなった後、母と伯母達が自分達以外居ない実家で祖母のスリッパの足音を聴いた、という話が不思議でした。ゆったりした足音の祖父と比べ、祖母のそれは自分も子供ながらに足音だけでそれが祖母か、祖父か判別出来る位の早めのスタスタとした足音が特徴的で、母達の聞き間違いにしても妙な信憑性を感じました。


家に関しては、自分の実家とその祖母と祖父が居た母方の木造建築の古い実家は道を挟んで隣同士であり、祖母が亡くなった後は母が祖父の食事等の世話をする為母方の実家に居る事が多くなり、夕食の時だけ自分が実家から母方の実家へ行き、食事後はまた一人で実家に帰る、というパターンも割と多く有りました。そして母方の実家の入口から玄関までは少し長く、木々が林立する道を通らなければいけない上に行きはともかく帰りは暗闇の道を一人で帰らなければいけなかったのは少し心細かったですし、家に入っても玄関から食事するリビングまでがまた長く(泣)、頼りない電灯の下途中仏壇の有る部屋を横切るのですが、その部屋の上には先祖の方々のモノクロ写真が廊下側に向けて飾ってあり、廊下からその仏壇の部屋を覗くと目が合うような感覚に陥るのが子供の頃ゾッとしました(先祖の方々からすると不気味な扱いされてたまったもんじゃないのですが 笑)。


④学校関連


小学校の文化祭で印象に残っているのが1年生の頃に入ったお化け屋敷。美術室を使い片方のドアを入口、もう片方のドアを出口としてパイプ椅子で出来て上を黒いマントで覆われた暗いトンネルを這いつくばって通り抜けるタイプのお化け屋敷だったのですが、入ると後ろから「こんにゃくみたいな物を持った白塗りの人」がか細い声で「待って、待って」と言いながら追い掛けてきて時々自分の足にそのこんにゃくみたいなのが触れ、ヌルヌルした感触が伝わってくるのが凄く気持ち悪く、未だにあれを超えるお化け屋敷はなかなか体験出来てません。


3.小学校中学年時代(90年代後半~)

①書籍・アニメ関連


小学校中学年頃になると、図書室で「ズッコケ三人組」シリーズを頻繁に手に取ったりと読書の習慣もつきました。その流れで古典「フランケンシュタイン」も読んだりしたのですが、友達がたまたま読んでいて気になったのが「地獄堂霊界通信」シリーズの「ワルガキと地獄のドライブ」。このシリーズで読んだのは実は今作だけなんですが、自分としてはやたら濃い絵の表紙、元々車好きだったので呪われた赤いスポーツカーと頻発する交通事故(しかも子供向けの割には生々しい事故表現と挿絵)という内容にすぐ惹かれたのでした。そういえば、前述の「ズッコケ三人組」にも「ズッコケ恐怖体験」という作品が有り、確か江戸時代かなんかの女性の幽霊が登場しましたっけ。


他にも、「怪談レストラン」シリーズの「鏡のうらがわレストラン」「お化け屋敷レストラン」を学校を通じて購入(学校で配布された封筒に書いてあるリストから欲しい本を選び、その封筒に代金を入れてまた学校に提出して購入するタイプ)、「花子さんがきた!!」シリーズよりもシンプルで子供っぽい絵が特徴なんですが、話の内容はギロチンで首を切断されたお姫様や宿泊先のホテルのベッドの下に殺人鬼が隠れていた等意外とエグいというギャップが新鮮でした。



当時読んでいた学研の付録にも「世にもこわ~いお話CD」なるものが有り、中身はあんまり怖くはなかったのですが、検索するとヒットしてこのカバーの絵を含め懐かしいです(感想は余り変わらず)。前述の「地獄堂霊界通信」のアニメ(OVA)も借り、このスカというジャンル風の主題歌も「超こわ~い」なんて当時よく歌ってました。


②テレビ関連


この頃頻繁に観ていたテレビ番組の一つが、比較的放送を開始したばかりだった「奇跡体験!アンビリバボー」(最初は土曜日放映していた事を覚えている方も今では少ないかも)。今振り返れば心霊やオカルト・都市伝説的な特集が多かった記憶が有りますが、その中で特に印象的だったのがフォークグループ「かぐや姫」のコンサートの音源に入っていた「私にも聴かせて・・」という謎の声。元々この番組で特集する以前からも有名なものだったみたいですが、小学生の自分にとってはこの不気味な声とコンサートに行く前に死んだ女性が居るというエピソードで鳥肌が立った記憶が有ります。


ほぼ同じ頃、心霊映像や都市伝説特集が充実していたのがジャニーズの面々が多数出演していた「USO!?ジャパン」。心霊コーナーで特にインパクト大だったのがカメラに映る人物がジャンプして一瞬消えた後右の窓からフッと人間の顔らしきものが現れる映像。単刀直入に言って当時眠れなくなりました。


③映画関連


映画を積極的に観るようになったのもこの頃。「ワルガキと地獄のドライブ」でも書いたように、自分は元々車好きだったので車関連(主にカーアクション)の映画を頻繁に観ていました。ビデオ屋に置いてあるそういった作品を一通り観た後、気になっていたのが車を題材にしたホラー映画でした。そして借りて観たのが「クリスティーン」と「地獄のデビル・トラック」というどちらもスティーブン・キング原作(後者に関しては監督もキングさん)の作品。両方とも車が意志を持ち人を襲うわけですが、車を不気味に見せる描写や演出、如何に人を襲い、殺すのかという点が興味深く、自然とスティーブン・キングという人物と彼の作品、そしてホラー映画全般に関心を持つのは今までのオカルト物に触れる機会の多さ、それに対する好奇心の強さも有り時間の問題でした。


上記作品に続き、スティーブン・キング原作の映画で特に印象に残っているのは「IT(イット)」(勿論1990年版です)。子供達の妄想・夢を巧みにコントロールし恐怖のどん底に突き落とすティム・カリー演じるピエロが登場する今作は、劇中に登場する子供達と年齢がそこまで変わらない自分にとっては凄くのめり込んでしまうものでした。


キング原作以外で当時観たホラーは親に教えてもらった「悪魔のいけにえ」「バスケット・ケース」や「13日の金曜日」「チャイルド・プレイ」「スクリーム」、当時レンタルビデオ屋で良く借りていたジャッキー・チェン主演作品の近くに普通に置いて有ったことで知り、怖いもの見たさで借りてしまった「八仙飯店之人肉饅頭2・3」等々。また、当時は未見だったもののこの頃から仲良くなった映画好きの友達から「ラストサマー」のあらすじや「シックス・センス」のエンディングを聞いて興味を持ったり驚いたりする事も有ったり、邦画ではサスペンス寄りですが当時母に連れられて観に行った自分にとっては最初で今の所最後の同時上映体験だった角川映画「死者の学園祭」「仮面学園」を観て飛び降りだ首吊りだひき逃げだ拳銃自殺だ生徒が皆仮面被る等色々病んでる日本の高校の実態を知ったりもしました(嘘です)。この頃だと「バトル・ロワイヤル」も観たかったのですが普通に年齢制限有りだったので観る事は叶わず、母が借りてきたメイキングのビデオ&鑑賞して買ってきたパンフレットを観て悶々とした日々を送ったのも比較的記憶に新しいです。


4.小学校高学年時代(2000年代前半~)

①アニメ関連

この時期になると、低学年・中学年の時と比べてアニメは一部除いてそこまで観なくなってきた頃でしたが、この「学校の怪談」や「週刊ストーリーランド」は割と観ていました。「学校の怪談」に関しては実は内容は余り覚えていませんが、ダミ声寄りの喋るミステリアスな黒猫キャラや、映画版と同じく旧校舎の雰囲気はなかなか魅力的で下のエンディングも曲と最後の演出含め濃くて印象的。一応配信されてるみたいなのでまた観てみようかなと考えてます。「週刊ストーリーランド」は毎回ホラー・オカルト系エピソードが放送されたわけではないのですが、謎の商品を売るお婆さんシリーズ等は見逃せないものでしたね。


この時期忘れられない体験だったのが、学校の総合学習の授業で地元で活躍する人に会いに行くというテーマでアニメーターの藤田しげるさんにお会い出来た事です。藤田さん自身が携わった作品群を実際に映像で見せてくれたのですが、その中で特にインパクトが強かったのが藤田さんが原画で参加された「パーフェクト・ブルー」。鑑賞したのはほんの数十秒間の1シーンなんですが、主人公らしき女性が空飛ぶ自分自身に似た何者かに追われているもので、たった数十秒間ながら異様な雰囲気が目に焼き付いています(後年フルで観て凄く面白い作品でした)。


②ネット関連


アニメをそこまで観なくなった理由の一つはインターネットを頻繁にするようになったのも関係有りそうです。ある程度パソコンをいじれる友達の間で流行っていたのは昨年2020年末でサポート終了したAdobe Flash Playerを利用したFlash動画。観ていたのは主にオラサイトを中心としたお笑い系のFlashだったのですが、それらをまとめたサイトの中にはホラー系のFlashも混じっており、下記のネットをしている自分自身も実際に体験しそうな恐怖に満ちた「赤い部屋」、ほぼ内容は「リング」であるものの、冒頭からキャラクターの造形が不気味な「ぱりてぃ」は忘れられないホラー系のFlash動画です。



③映画関連


公開25周年を記念して作られた70年代のオカルトホラーの傑作「エクソシスト ディレクターズカット版」の公開は、当時の田舎の小学校に通う映画好きの一部小学生達にもそれなりに話題になっていました。映画館で観たのかレンタルで観たのか記憶が定かではないのですが、液を吐いたり一回転する首は2000年代当時(そして今)でも古さを感じさせないものでした。


トム・サビーニによる特殊メイクが映える「悪魔のいけにえ2」をレンタルで観た影響で、昼休みにノリの良い友達をいけにえにして(笑)彼の上半身のお腹に赤と白の絵の具を使ってお腹の皮が剥がれて中の肉と骨が見えるいわば粗末なボディペイントを施し特殊メイクごっこという傍から見ればただ気持ち悪いだけの遊びをしたのもこの頃。


そんなこんなで小学生時代が終わるのですが、中学から大学に入るまでは他の趣味も出来たり少し忙しくなったことでオカルト・ホラー趣味は一時的に大人しくなったものの、時間に余裕が出来たり上京してより様々な作品に触れる事が出来る環境になった大学入学以降からはまたこれらに対する好奇心が強まり、時に心霊スポットを訪れたり(霊感ゼロですが)ホラー映画の出演オーディションを受けたり(落ちたりバラシになりましたけど)、好きなJホラーの一つ、「オーディション」の台本を読んだり、ホラー・サスペンス系作品「サスペリア」「フェノミナ」で有名なダリオ・アルジェント監督の研究会に参加したり大学でホラー系に詳しい講師の方と知り合いになったり、こちらでもホラー系の短編も投稿したりして現在に至ります。


5.まとめ


振り返れば自分が子供だった頃の世の中は今よりもオカルト・ホラーなもので溢れており、それらが子供達の一種の情操教育として機能していた気がします。子供故に感じる世の中の様々なものに対する恐怖、心霊番組の多さ、今よりも規制が厳しくない故に出来た表現が盛り込まれた作品とそれらが普通に放映出来たある種の時代のユルさがそんな感覚がする理由でしょうし、90年代末にはノストラダムスの大予言から来る「恐怖の大魔王」や「2000年問題」等恐怖を煽る話題が巷を賑わせていたのも無関係ではないはずです。


オカルトやホラーに関しては苦手な方も多く、趣味が合う方もなかなか見つかりにくいですが、こんな時代だったからこそ自分と似た人が意外と多く居るかもしれないと思い、記事を書いてみた次第です。思った以上に長くなりましたが、お疲れ様でした!





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