DXM

@Emiyann

第1話 日常と始まり

「やはり、ここのパソコンはいいな」

大学のハイスペックなパソコンが無料で使い放題だと思いこの大学に入ってから早2年、俺は充実した日常を送っていた。

「またか・・・」

パソコンの画面に出てきたメールの通知をクリックして、内容を見た俺はいつも通りの反応をした。

「伊宮くん、次の論文はもう終わったかな?終わっていたらカナダに行こう!また新しい遺物が出たそうなんだ!これはまた凄いものでー」

考古学者であり教授でもあり・・・そしてこの研究室の主からのメールなのだがいつもこの調子で本当に困る。

何か遺物やら遺跡の情報を得れば、海外でも関係なくすぐに誘いを掛けてくる・・・本当その内に宇宙に行こうとか言い出しそうな勢いだ。

「論文は終わってますが、費用がないので・・・と」

メールの返信を書きながらいつも通りの日々を過ごしていた。

本来ならば医療機器のプログラムを作るためのパソコンや機器なのだが、これがまたかなりのスペックを持っているのでどんなゲームも出来てしまうのでそれが使い放題ならばこうした接待メールもささやかすぎる代償だと思う。

メールを送信しようとしているとまた通知が入った。

「ちなみに費用についてはいつも通り、たわしが出すから安心してくれ!」

教授・・・たわしってなんですか、相当慌てて送ってきたんだろうけど・・・それとも本当に金持ちのたわしでも発掘したのだろうか?

結局この2日後に行くことが決定して、いつも通り行くことになった。

・・・そんな大学生活から早いことでもう10年も経った。

本当に月日が流れるのは早いなと思う。

結局今の俺も、なんだかんだと教授と同じ考古学者になってしまったんだけどさ。

そんな俺が、世界の秘密を知る事になるとは今の時点では思いもしなかった。

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