まちあるき

kurono_くろの

聞いた話「鉄の街」

ある人が言いました。

その街は橙の錆と白い灰の街だ、と。

また、ある人が言いました。

その街は歯車と蒸気の街だ、と。

「少し小高い丘にあったその街は、高い技術力を使い、数十年もの時間をかけて大きく発展してきた。

もともとの街があった区画は、少し大きなお城にも見え、少し不気味さまである。

人が集まり、ものが集まり、自然はどこかに行ってしまった街…」

先程まで馬車から見えていた木々も、その多くが枯れてしまっています。

もう街から上がる白煙が見えてきました。

次の丘を超えたら街が見える筈です。

街は、もうすぐそこ。

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