第52話

 お見合いを円滑に進めようとする仲人さんみたいな台詞を残して、ニャン太郎様はいなくなった。


「じゃあ、ニャン汰さん。入団申請を送ってね」

「了解にゃ」


 ほどなくして、こしあんのメニュー画面に入団申請が届いた。承諾して、はい終了。


《ニャン汰がラッキーサークルに入団しました》

《クランポイントを10獲得しました》


 おおっ、クランポイントって誰かが入団したときも増えるのか。てっきりイベント専用のポイントだと思ってた。ヴァネッサのときは増えなかったけど、それは彼女がNPCだったからかな。


「これで私も、こしあんくんの仲間にゃ」

「私もって。今のところ、生身の仲間はニャン汰さんだけなんだけどね」

「生身の仲間ってエロいにゃ。こしあんくんも男の子だにゃ」


 いやいやいや、他にどう言えば良いんだよ。


「ところで、ニャン汰さんはどんなジョブなの?」

「英雄とコマンダーにゃ。パーティ申請を送るから確認してみるにゃ」



 ニャン汰

 ジョブ1 英雄LV50

 ジョブ2 コマンダーLV50

 HP 950

 MP 850

 物理攻撃力 78+30+430

 魔法攻撃力 54+31

 物理防御力 75+30+80

 魔法防御力 60+30+50

 速度 21+10

 幸運 20+10

 ジョブ特性1 防御無視25%

 ジョブ特性2 パーティステータス20%アップ

 ユニーク特性 防御無視30%

 ジョブスキル スラッシュLV5 兜割りLV5 チャージLV5

        闘志LV5 回転斬りLV5 火炎斬LV5 凍結斬LV5

        真空斬LV5 大地斬LV5 月光斬LV2

        ストロングLV5 ヒールLV5 パワーアローLV5

        シールドLV5 キュアLV5

        退避LV5 貫通LV5 加速LV5 集中LV2

 後天的スキル なし

 アルテミスの加護 パーティステータス5%アップ

 所属クラン ラッキーサークル

 クラン効果 幸運1%アップ


 武器1 クレイモア 物理攻撃力+200

 武器2 クレイモア 物理攻撃力+200

 頭防具 金剛石の兜 魔法防御力+50

 体防具 大地の鎧 物理防御力+80

 足防具 バトルレッグ 物理攻撃力+15

 装飾品 力の指輪 物理攻撃力+15



 物理攻撃寄りのバランス型ステータス。どこまでもソロで行けそうだ。ユニーク特性とジョブ特性が相まって、敵の防御能力を【55%】も無視して攻撃できるのがすごい。【ユニーク特性30%】って、こしあん以外で初めて見た。彼女も十時間以上粘ったのかな。


 それにセカンドジョブの特性と信仰神の加護で、仲間のステータスを【25%】も高めてくれる。ただそこにいるだけで【25%】。MP消費もなく【25%】だ。もしファーストジョブもコマンダーだったら、とてつもないことに……。


「私は合格かにゃ?」

「大合格の推薦入学で奨学金って感じだよ。英雄とコマンダーって、ファイターとレンジャーから進めるジョブだよね」

「そうにゃ。人気のある組み合わせじゃにゃいけど、意外と強いにゃ」


 うん、僕もそう感じた。掲示板やSNSを見たら、ファイター系のセカンドジョブはナイト系か同じファイター系が最強とか書いてあったけど、なかなかどうして。この組み合わせのほうが柔軟性に富んでると思う。


「ちなみにファーストジョブにレンジャー系を選ぶと、セカンドジョブには選べない仕様にゃ」

「え、そうなの?」

「しかもパーティにレンジャー系がふたり以上いても、ジョブ特性は重複しないにゃ」

「うっ……まあでも、それがOKだったらバランス崩壊しそうだよね。運営も考えてるなぁ」

「誰でも考えつくような無茶はできないにゃ。でも、こしあんくんは誰も考えつかない無茶をするから面白いにゃ」

「そんなことないと思うけど……誰に聞いたの?」

「おね……ニャン太郎に決まってるにゃ。滅多なことで人を褒めないのに、べた褒めしてたにゃ」


 ニャン太郎様が僕を……生きるパワーが百倍になった。今なら空だって飛べる気がする。着陸方法は覚えてないけど。

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