《本編完結済み・番外編不定期更新中》望乃ちゃんはインキャ吸血鬼
ひのはら
第1話
人生においてピークがあるとすれば、
あの頃、まだ幼い望乃は知らなかった。
生まれた時点で、自分がどちら側の人間なのかということを。
何もせずとも、周囲からどんな目で見られるかということを。
あの子と出会ったのは、偶然のような必然だった。幼稚園が一緒で、学年は違ったけれど母親同士が仲が良かったことで自然と話すようになったのだ。
一つ年下のあの子を、望乃は妹のように可愛がっていた。10個年上の兄に、母親と父親の四人暮らしだった望乃にとって、生まれて初めての守らなければならない存在だったのだ。
「望乃お姉ちゃん」と呼びながら望乃を慕って、いつも後ろをついて回ってきたあの子の名前は『
天使のように可愛らしいあの子は、望乃が小学生になるのと同時に両親の都合で東北地方に引っ越してしまったけれど、今は何をしているのだろうか。
会いたいけれど、会いたくない。
きっと会えば幻滅する。
吸血鬼故に明るい人生を送れなかった望乃は、かつての面影が無いほど暗い女の子に成長してしまっているのだ。
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