第114話 わし 真実と労働価値に迫る
〜〜〜わし私室〜〜〜
カレン「エッジ様が結婚したみたいです」
わし「なに?誰と??」
カレン「あのセリーナって女です」
わし「ちょwwwマジか」
カレン「あの2人の性格ですからね、だから結婚報告とか無かったのでしょう」
わし「ご祝儀で金一封送っとけ」
カレン「御意」
コンコン
カシム「カシムです」
わし「はいれ」
ガチャ
カシム「失礼します、月間報告に参りました」
わし「どうじゃ?インフレは」
カシム「正常値まで下がりました、現在は2%ほどです」
わし「まだまだ工業化と分業化と効率化を進めて供給力を上げろ、来月には奴隷解放じゃからな」
カシム「ユリが最高値を更新してますね、マスクの売れ行きも好調です」
わし「そろそろか…」
カシム「ですね、あとはプランテーションの方ですが、資料をお持ちしました」
わし「ふむふむ…」
ペラ…ペラ…
わし「マジかよ…」
カシム「どうしました?順調ですよ」
わし「この写真の小人の様な人間はなんだ?」
カシム「ああ…びっくりですよね、身長1メートルほどですから、少ない金や食料で真面目に働いてくれますよ」
わし「こいつはフローレス原人だ…たぶん」
カシム「え?肌が黒いちっちゃい人間ですよ、我々と一緒です、小さいのは島嶼化(とうしょか)でしょう」
そうか…人種や種族と言う概念が無いのか
わし「島嶼化は知ってる、島ではうさぎより大きい生物は小型化して、うさぎより小さい生物は大型化する現象じゃろ」
カシム「そうです」
フローレス原人は最新の研究では5万年前に絶滅してるぞ…それに…今思えばヤマト国のサマルの特徴はネアンデルタール原人にそっくりだ…正確な答えは遺伝子工学が発達するまで待つしか無いが
となると、少なくとも5万年以上前の地球かパラレルワールドか
アトラス大陸の人種の特徴はホモ・サピエンスで間違いない、肌が白いから北から来たルートのハズだ
しかし白人種もいるし黒人種もいる、アジア人種が少し違う、アジア人とも取れるが…ホモ・サピエンスの直接的祖先でネアンデルタール人に近縁なデニソワ人に近いか…
謎は深まるばかりだ…
カシム「どうしました?考え事ですか?」
わし「いや…何でもない」
カシム「いや〜でも考えられないくらい豊かになりましたね」
わし「人の価値=労働だからな」
カシム「そうなんですか?付加価値の創造と思ってました」
わし「ミクロでは間違ってない、わしのはマクロの話だ」
カシム「詳しくお願いします」
わし「ヒトの価値は労働だ、ではモノの価値は何じゃ?」
カシム「需要と供給です」
わし「モノはそれで合ってる、ヒトの価値で言うと例えば、今3000マルクスで1日人を働かせれる、だが3000マルクスを誰も受け取らず6000マルクスで1日人が働く様になったらどうじゃ」
カシム「労働の価値が上がってますね」
わし「そうじゃ、経済成長して行くと実質所得が上がる、つまり労働価値が上がっていく、人件費が上がる分物価も上がるがな、人の労働価値が上がれば三面等価の原則でGDPが上がっていくのじゃ、すなわち国力アップじゃ」
カシム「なるほど…」
わし「ここで少し間違いがある、人件費が上がるがイノベーションによって少人数で大量に物を生産できるから、現在ではそこまで物価は上がらん」
カシム「確かに…」
わし「サンアンドムーン国はマルクス王国のちょうど1/3の労働価値じゃ、まだ工業化が不十分だから、物価も高い、つまり少ないお金で少ししか物が買えない」
カシム「マルクス王国の民は3倍の収入で安く物を買えるからですね、これが豊かさの正体ですか?」
わし「そうじゃ」
カシム「でも工業化されて、同じ製品を作られると人件費が安い分、有利になりませんか?」
わし「さらに高品質やブランディングを進めて付加価値創造か、安くしたいならイノベーションで超効率化じゃな、こうして科学が進歩して行くのじゃ」
カシム「確かにそうですね」
労働価値説は未だに答えが出てないがな、アダム=スミスも、カール=マルクスも、まさかここまで工業化が進むとは思って無かっただろう
これが証明されればノーベル経済学賞か
わし「国全体を考えれば、人の価値は労働じゃ」
カシム「つまり我々は間違ってないですね」
わし「豊かさが証明してる」
コンコン
タオ「タオです」
わし「入れ」
ガチャ
タオ「失礼します」
わし「どうした?」
タオ「どうやら、聖カトレイア国とレガシィ大帝国が軍事同盟を結びました」
ガタ!!
わし「マジか…イジメ過ぎたのと、脅威を示し過ぎたか」
カシム「前に言ってたノブナガ・オダ状態ですか…」
タオ「あと…これはまだ確定では無いですが、アルビア国とも同盟締結の可能性があります」
わし「バレちゃったかな…」
カシム「どうしますか?」
わし「兵が足りないな、解放奴隷を兵にしよう、ジョブギャランティプログラムは、月6万マルクスで、兵は12万マルクスにしよう、自由市民からの募兵も多くなるはずだ」
カシム「今の兵から不満がでますよ、一兵卒の給料が9万マルクスですから」
わし「うーーーん…供給力が高ければ、一律上げても良いのだが…」
カシム「ジョブギャランティプログラムを5万にして、兵は10万マルクスに一律上げますか?」
わし「そうじゃな…とりあえずそうしよう」
カシム「サンアンドムーン国とラコール国との連携はどうですか?」
わし「サンアンドムーン国は復興や工業化が進んでるし、ラコール国は前回の戦でボロボロじゃ、スイスの様に焦土作戦も取れん」
カシム「すいす?」
わし「ああ…永世中立国と言う、男前な国があってな、他国に攻められたら街を燃やして戦略価値を失わせる国が文献であるのよ」
カシム「確かに攻めたら大損は良い作戦ですね」
わし「東西に大軍を置いて、北を寡兵にして北からわざと攻めさせるか」
カシム「大丈夫ですかね?北を抜かれたらすぐに王都ですよ」
わし「敵に塩を送る、タクトアミューズの大型乙種の開発援助と、エッジ重工もタクトアミューズに技術提供させるよう命令を出せ、爆撃機を作る」
カシム「儲かった金を選挙資金に使われそうですね…」
わし「背に腹はかえられぬ」
カシム「分かりました」
わし「レーダー網も構築したいからその研究開発も急がせろ」
カシム「御意」
わし「タオよ、コレをレガシィ大帝国と聖カトレイア国にばら撒け」
ゴト…
タオ「これは?綿花ですか?」
わし「この綿花の中に培養してたコクシジオイデス胞子がたっぷり詰まってる」
タオ「え?」
わし「大量に培養してある、行商人に綿花として売り捌き、影部隊も使い大都市に潜り込んでばら撒け」
タオ「コクシジオイデスとは?」
わし「真菌じゃな、ペスト並の感染力と症状も似てる、皮膚が赤く腫れたりするから新型ペストっぽいじゃろ、しかし人から人に感染しないしペストほどの毒性は無い、無症状も多いし、若ければ自然に治ったりする」
タオ「はぁ…」
ゴト…
わし「あとこれが恐怖製造機の肺ペストじゃ国民的に有名な人物のみに絞って感染させろ、死ぬのは2〜3人で良い、なるべく歳を取ってる奴が良いな」
タオ「なぜ2種類用意するのですか?」
わし「死んだら困るからじゃ」
タオ「意味が分かりません」
わし「死んだら、我が国の薬が売れんだろ、肺ペストは蔓延させない様に最新の注意を払え」
タオ「分かりました」
わし「そこそこ蔓延したら検査紙としてリトマス紙をばら撒いて行け」
カシム「例の簡易検査ですね」
わし「うむ、口の中にリトマス紙を入れて調べる嘘検査じゃ、1人1枚タダで配布しろパニックを作るのに必要じゃ」
口腔内は中性じゃが、ご飯を食べると酸性になる、これを利用する、絶妙な確率じゃ(笑)
カシム「パニックになれば薬と偽ってラムネでも売りますか」(笑)
わし「ガハハハハハ!!それは良いな口の中が酸性になるしな、人間はパニックになれば、とてつも無く不合理に行動する、健康の為なら死ぬを地で行くからな」(笑)
カシム「今から思えばウゴン王国の侵攻の時に肺ペストを使いましたよね」
ギクッ
わし「まぁな…当時はどうしようも無かったからな」
カシム「まぁ戦争ですからね、しかし今回は直接ペストをばら撒かないのですね」
わし「ペストだと民間人に被害が出まくるからな」
カレン「戦争ですから国力を削る、すなわち労働力を削るのも良いのでは?」
わし「まぁコレで良い、国益優先じゃな」(笑)
カシム「優しいですね、どちらにせよ敵国の弱体化は国益に繋がりますね」
わし「もし戦争になって戦争が終われば、各国で集まって新たに陸戦条約を作ろう」
バーグ陸戦条約とか作った方が良いな
わし「さて…ヤマト国のアガラス連邦の事もあるからな、海軍強化と空軍創設も急がせるのじゃ」
カシム「ははっ!!」
しかし…この戦争は避けたい所じゃな
次回に続く…
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