第101話 わし 運命の歯車が回り出す

   

   〜〜〜マルクス王国〜〜〜



わし「はぁ…どっと疲れた…」


カレン「マルス自由都市はどうでした?」


わし「さらに発展してたな…治安も良かったし」


カレン「またゆくっり行きましょうよ」


わし「あれだぞ…幹部連中は変装は必須じゃ…特に若者はカレンに憧れてる」


カレン「そうですの?」


わし「うむ…カレンの着物の着こなしがウケてる」


カレン「マルス自由都市や、またリゾート行きましょう♡」


わし「まだやる事が多いがな…暑いから海がええな…」


カレン「よいですわね、最近は暑いですし」


わし「また休暇を取って、今度はリバティ港湾リゾートに行くか」


カレン「賛成ですわ」


わし「よし次は南地区の地方創生じゃな」



コンコン



カシム「カシムです」


わし「はいれ」


ガチャ


カシム「月間報告に来ました」


わし「口頭で頼む」


カシム「ははっ!!民間のインフラ投資や工場投資も活発でインフレはさらに落ち着き3%まで落ちました、建設系インフレも8%で頭打ちです」


わし「もうすぐ奴隷解放もあるからな…なるべくデフレまでもって行きたいな」


カシム「アキナさんの試算では奴隷解放でインフレ率が8%は上がるとの事です」


わし「そんなにか…とりあえず来年の国家予算を決めとくか」


カシム「そうですね」


家計なら収入が入ってから予算を決めるが、国の場合は税収が確定する前に予算を決めれる、転生前の日本もそうだ、理由は簡単、国は自由にお金を発行出来るからだ


わし「前年と変わらず、政府もインフラ投資と科学技術に投資だな、あと伝統工芸の保護政策と中小企業の発展に投資じゃな」


カシム「そうですね、民間企業だとエッジホールディングスとタクトアミューズの2強ですからね」


わし「大企業による企業買収には高い税率をかけるか、国営でM&Aの会社を作るわ」


カシム「えむあんどえー?ですか?」


わし「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)じゃな、中小企業を育てつつ、大企業を創出していく」


カシム「なんか面白そうですね」


わし「インフレしてるから民間企業で切磋琢磨させた方が良いんじゃけどな、巨大企業が力を付けすぎるのも問題じゃ、歴史上では政商が国を傾ける事が多いしな」


ケケな○とか好例じゃな


カシム「確かに営利企業ですからね、政商は自分の会社の利益の為に政治しますもんね」



コンコン



マルクス衛兵「塹壕陣地から電話がありまして、危急の報告があります」


わし「はいれ」



ガチャ



マルクス衛兵「報告します!!ラコール国の捕虜が反乱を起こしました!!」


わし「なに!?それで?」


マルクス衛兵「鎮圧出来ましたが、味方の被害も多数出ました」


わし「ふーーむ…看守が少な過ぎたか、油断してた」


マルクス衛兵「捕虜の移動はどうしますか?」


わし「先に出した捕虜を数人連れ戻し、どう言う待遇か穴にぶち込んでる阿呆共に教えろ、また騒いだら生き埋めにしてやるともな!!」


マルクス衛兵「分かりました、早速伝えます」



バタン



わし「くそう!!死ななくても良い人間を作ってしまった!!」


カシム「穴の中だと恐怖が増幅され疑心暗鬼になりますね」


わし「見積もりが甘かったか…」


カシム「遺族には手厚い補償をしますか?」


わし「それはダメじゃ…こちらの過失じゃがな、戦死も過失による戦死も平等に扱わないとな」


カシム「そうですね…」


これだから占領や捕虜とか嫌いじゃ…戦争に勝ってハイ終わりじゃないからな



   〜〜〜マルス自由都市〜〜〜



ミストリカ「ツキノ様、準備出来ました」


ツキノ「では行きますか…」


タクト「おう…じゃあ行くか」


ミストリカ「なんでアンタも行くのよ!!」


タクト「サンアンドムーン国にも会社があるからな、保険を使って、ずいぶんと投資してる、そろそろ視察もしないとな」


ミストリカ「はは〜ん、さてはアンタ…ツキノ様の事が好きになったのね!」


タクト「それもある」


ツキノ「///////////////」(赤面)


ミストリカ「…な!?アンタなんか、ツキノ様が相手する訳無いじゃ無い!!」


タクト「そうか?まんざらでも無い感じだぞ?」


ミストリカ「ツキノ様!!今すぐ否定して下さい!!ゴロツキが調子に乗りますよ!!」


ツキノ「私は…タクトの気持ちには答えられません、国の再興という使命がありますから」


ミストリカ「ほーーーら」(笑)


タクト「別に問題ない、好きでいちゃダメなんて決まりなんて無いしな、それにツキノが国のトップになれば政商として暗躍出来る」


ミストリカ「ツキノ様!!ついに本性をあらわしましたよ!!殺しちゃいましょう!!」


タクト「選挙に勝つには金と人脈が必要だぞ?票取りゲームだからな」


ミストリカ「あんたの力なんか必要ないし!!ツキノ様は王族だし極維党と組んで圧勝よ!!」


ツキノ「私は極維党とは組みません」


ミストリカ「……え?」


タクト「当たり前だろ、極維党は民衆の支持を得たと言っても結局はウゴン王国を潰したしな、ラコール派の難民もいるし、国民の半分は浮動票だ、政治的しがらみが無く王族としてツキノを全面に出した方が良いだろ」


ミストリカ「…う…でも…」


タクト「もう組織化は出来てる、ツキノがいなければ、違う奴を出馬させる予定だったしな」


ミストリカ「なら…アンタがなれば良いじゃ無い」


タクト「はぁ…」(深いため息)


ミストリカ「な…何よ!?」


タクト「お前は本当にバカだな…まず国籍が違うから出馬出来ない」


ミストリカ「…うっ……。」


タクト「それに政治家より稼いでる」


ミストリカ「…う……。」


タクト「それに公人はバカ国民を相手にしないと行けないし、マスコミに公然と叩かれてプライベートも無い」


ミストリカ「…う……。」


タクト「政治家なんて、野心だけの頭が気の毒な奴か、ちゃんと志しを持ってる奴かの2択だ、どちらにせよ、権力闘争や金集めと悪い事しないと勝てない、そんな面倒くさい事より、私人で裏で暗躍した方が良いだろ」


ミストリカ「ツキノ様!!こいつ!!ツキノ様を利用する気満々ですよ!!」


ツキノ「ふふふふふ…お互い様じゃ無いですか」


タクト「そうだバカ…お互い利益があんだよ、清廉潔白じゃ勝てないんだよ、政治の世界はな」


ミストリカ「ま……またバカにしたな!!国民は清廉潔白な人格者を政治家に望んでる」


タクト「お前はお花畑か…政治家でトップの時点で清廉潔白じゃないだろ、嘘まみれで責任逃れしまくって、罪を秘書に被せまくってるからトップにいられるんだよ、いちいち責任取ってたらトップまで行けないだろ」


ミストリカ「良いのですかツキノ様!!コイツと組んだら悪党になってしまいますよ!!」


ツキノ「良いのです!!タクト…どんな汚い手を使ってでも私を選挙で勝たせなさい、そして富国強兵に尽力し、完全な自治権を勝ち取るまで協力なさい!!」


タクト「もちろんだ、それが達成されたら結婚の約束を守れよ」


ミストリカ「なななななな!!!何ですかその約束!!さっき気持ちには答えられないって!!」


ツキノ「今は答えられないって意味です、それに清廉潔白な人格者じゃ無くても国益や国民の幸福の為に働いてるなら良いでは無いですか」


ミストリカ「ツキノ様がががががががが…」


ツキノ「ふふふふふふふふ…覚悟を決めた女は強いですよ」


タクト「暇つぶしに政争と行こうじゃないか、あの暗躍王子の二手三手先を読まないとな」



次回に続く…




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