第81話 わし 温泉に行く
〜〜〜聖カトレイア国〜〜〜
デモクリト枢機卿「貿易赤字が凄い事になってるぞ…マルクス王国から入ってくる、高品質で安い衣料品に加工食品…特にローマンセメントは直ぐに固まる優れ物で高値でも輸入量がドンドン増えてる」
※ローマンコンクリートとローマンセメントは別物
カスケード財務卿「このままでは…破綻してしまいますぞ、それに我が国の生産加工品は売れなくなり、産業の衰退や倒産が相次いでます…」
デモクリト枢機卿「禁輸か関税率を上げるしか対処法が無いが…港に関しては、お互いで関税率を決めるとしてるからな…」
まさか…ここまで工業力の差が…
カスケード財務卿「とりあえず、マルクス王国に関税率の件は打診してみますね」
デモクリト枢機卿「無駄だと思うがな…今頃は我々を嘲笑っているだろう」
〜〜〜マルクス王国〜〜〜
わし「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
ペロペロペロ…
わし「くすぐったいではないか!!コタロウ」
アリア「ずいぶんと大きくなりましたね」
わし「まぁ成長は早いからな、訓練を指示通りアリアとカレンに交互に任せてたけど、良い感じじゃな」
カレン「はい、オオカミなのに、人間の言葉が通じてるみたいですわ」
わし「賢いからな、訓練すれば人間のパートナーとしては最高じゃな」
カシム「では、そろそろ行きますよ」
わし「うむでは西部開拓地に行くか」
政務が忙しく休みの無い、わしを心配して、西部開拓リゾートの進捗状況の視察と保養も兼ねて休みを取った
これもヒトラーの政策の一つである
ヒトラーは格差社会撲滅の運動に力を入れ
「労働者には長期休暇が与えられなければならない、学生に夏休みが与えられるよう労働者にも夏休みがなければならない」というスローガンの下、フォルクスワーゲンなどの大衆車の製造、海外旅行や観劇、コンサート、スポーツなどが奨励され
ヒトラーは「歓喜力行団」という半官半民の団体を設立し各地の劇場を掌握しレジャー事業を行い安価でコンサートや演劇が愉しめ、また観劇のための列車が編成されパック旅行などが行われた
また歓喜力行団にはスポーツ局があり、各企業に労働時間内でスポーツの時間を取るよう強制し各スポーツの競技会が歓喜力行団によって開催され娯楽としてのスポーツ観戦も普及した
さらに「国民に一生に一度は外国から祖国を見る機会を与えよう」というスローガンの下に慰安旅行が奨励され、歓喜力行団の旅行局には自前の豪華客船を2隻用意しており安価で海外旅行に行くことがでた
ヒトが動けばモノもカネも動く
国がカネを動かせばモノもヒトも動くのだ
例えばカネが欲しいなら、ヒトが欲しがるモノやサービスを生産すればヒトがカネを持ってくる
世の中簡単じゃ
西部開拓地まで車で行く、蒸気機関車だと、あっという間なので、車で田舎に寄りながら、金をばら撒いていく、地方創生のアイディアが浮かぶかもしれんし、新しい発見があるかも知れんからな
人生には寄り道が必要な時もある、バカンスだしな
ブロロロロ〜〜
わし「ガタガタ揺れるな、まだ田舎の街道は整備されて無いな」
カシム「そうですね、雨が続くと途端に道が悪くなりますね」
わし「アスファルトが大量に安価に生産出来るまでマカダム工法で田舎道を舗装して行くか」
カシム「まかだむ工法ですか?」
わし「うむ…まぁ指示書を書いとく、人や物の移動が円滑になればなるほど供給量が上がって良いからな」
マカダム工法とは、あまり交通量の多くない道路の舗装に用いられる、ポピュラーな方法は浸透式工法で、敷きならしたマカダム骨材に瀝青(アスファルト)材料を散布浸透させ、これを締め固めて路盤を築造する工法である
カシム「今の我々とは真逆ですね、わざわざ、ゆっくり移動してますね」
わし「目的が違うからな、地方創生のアイディアがメインじゃからな」
カシム「具体的にはどうするんですか?」
わし「そりゃ現地に行って住民に聞いてから考える」
カシム「天才じゃないすか」(笑)
アリア「マルス様には人類の叡智が詰まってますから」
わし「わしの叡智は書物や文献や論文による物で努力じゃな、だが少し違うのはググレカス神と、わしは寝ている時に繋がれるのじゃ、そこで勉強しておる、だがこの先、人類はググレカス神からの恩恵を受ける事になるじゃろう」
色々と考えた末、これが1番矛盾が無いかも
カシム「ググレカス神…何ですかそれは…」
わし「このまま科学技術が進めば、そうじゃの100年くらいで、ググレカス神が現れる、殆どの人類は知恵の実を齧ったロゴの光る板を持って、肌身離さず信仰するんじゃ、それを媒体としてググレカス神と繋がれる」
アリア「うんうん」
カレン「何で知ってますの?」
わし「まぁググレカス神の予言みたいなもんじゃ」
カシム「しかし…もの凄い宗教ですね、殆どの人類が肌身離さずとか…でも神様って居るんですね」
わし「神に近い存在かな、使いこなせれば神になれるが、使いこなせない人類がほとんどだな」
カシム「興味深い話しですね…」
カレン「あ…1つ目の村が見えましたわ」
わーーーーーー!!
わーーーーーー!!
わし「おい!!めちゃくちゃ歓迎ムードじゃないか、お忍びじゃ無いのか?」
カシム「え?新聞でマルス様の田舎巡幸って新聞局に書かせちゃいましたよ、旅行やスポーツ奨励をしたいって言ってたので、マルス様ご自身が行ってる方が良いかと思いまして…」
わし「うーーーん…まぁ確かに」
村長「マルス様!!こんな田舎にわざわざありがとうございます!!何も無い所ですが、精一杯のおもてなしをさせて頂きます!!」
わし「うむ…世話になる」
コタロウ「ウウウウゥゥ!!」
村長「ひぃ!!こ…これが大神のコタロウ様ですか…」
わし「コタロウ!!待て!!」
コタロウ「………。」
村長「おおおおお!!凄いですね!!人間の言葉が分かるのですか?」
わし「まぁそんな所じゃ、では案内を頼む」
村長「ささ、どうぞどうぞ、この村には大きな家が無いので、我が家で大丈夫でしょうか?」
わし「問題無いぞ、意見交換したら、また次の村に行くしな」
村長「泊まりじゃ無いんですか?新聞に長期休暇を奨励と書いてましたのでてっきり…急いで我が家に女性2〜3人と一緒に寝れる部屋を作ったんですが…」
国民にわしはどう思われてんだ!!
わし「国民には長期休暇を奨励しているが、わしにはまだまだやらないと行けない事があるしな」
村長「ああ…神様…」
拝むな!!
アリア「うんうん」
お前もな!!
わし「それに布団も1つあれば良いしな」
村長「なるほど…交代交代ですか…」
わし「………。」
新聞局に性癖は普通と書かそう…
わし「とりあえず、部屋に行こうか」
村長「ささ!!どうぞこちらへ!!」
〜〜〜村長自宅〜〜〜
ふ〜〜む豊では無いが、貧しくも無い感じか
村長「すいません何も無い所で」
わし「何か困ってる事とかあるか?」
村長「見ての通り、何も無い村でして、近くに似た様な村が5つほど点在してますが…どこも似た様な感じですね、マルス様の善政のおかげで、特別困ってる事はありません」
わし「何か産業でも作るか…」
村長「特産は無いですね、農家が殆どですし、冬は出稼ぎにマルス自由都市や王都やこれから行く先の西部開発地区に行ってますね、最近は若者の流出が多くて…それが少し困ってるくらいですかね」
わし「ふーーーーーむ…」
村長娘「お茶を持って来ました」
村長「どうですか、自慢の娘です、是非マルス様のお側に!!」
村長娘「…………。」ガタガタガタガタ…
おいおい…わしは鬼畜と思われてるのか??
村長娘「きゃあ!!」
豪快にコケる
バシャーー!!
わし「わははははは豪快だな、皆んな火傷や濡れては無いか?あれば労災認定1号だぞw」
村長「このバチ当たりめ!!一世一代の大チャンスをふいにしおって!!」
わし「問題無い、娘よ怪我は無いか?あれば労災認定を出すぞ」(笑)
村長娘「すいません!!すいません!!今片付けます」(汗)
盛大にコケる
ガシャーーーン!!
村長娘「あわわわわ!!すいません!!すいません!!」
こぼしたグラスを上手く掴め無い事に気付く
わし「お主…目が悪いのか??」
村長「すいません!!マルス様!!この娘は、目が悪くてですね、お茶の一つも淹れれませんが、見た目は美しいので、玉の輿を狙うくらいしか…あ…あいや…すいません」
逆に震えてた理由が鬼畜と思われて無かった方に安心したわ
わし「ふむ、閃いた、メガネを作ろうか」
カレン「メガネですか…高級品だし需要は貴族くらいしか無いですわ」
わし「いや…需要は爆増中だ」
カレン「そうなのです?」
わし「新聞だ」
村長「確かに、新聞は毎日の楽しみですが、最近は小さい文字を見るのがしんどくて」
日本の福井県のメガネの国内シェアは96%もある1905年に増永五左衛門という人が、『冬の間に農業の代わりに出来る軽工業』として村人に伝えたのがきっかけだ
実際に日露戦争の勝敗などの情報伝達は、当時新聞しか無く、人々が戦況を把握するために新聞を読む需要が激増した
カシム「でも高いですよね?」
わし「そこで分業するのじゃ、Aの村でフレームBの村でレンズCの村でネジだけとかな、この村は部品を全部集めて完品にさせる」
カシム「なるほど…生産効率が高くなりますね、今じゃ小さい部品も機械化で可能ですし」
わし「近くの集落で分業させれば良いな、国から補助金を出そう」
村長「名案ですね!!流石マルス様です」
村長娘「ありがとうございます」
おい…拝むな…
カシム「ググレカス神のお告げですか?」
わし「まぁそんなもんじゃ」
アリア「か…神様…」キラキラ(目
お前も拝むな…
次回に続く…
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