第75話 わし 二度目の成人式と二度目の死の覚悟

ウゴン王国


ジホン・ロン「ツッキーノ王は処刑したか?」


レガシィ大帝国兵「はい」


ジホン・ロン「一族郎党は?」


レガシィ大帝国兵「一部は逃げてますが、それ以外は全員処刑しました」


ジホン・ロン「必ず探し出して全員処刑しろ!!遺恨を残すな!!」


レガシィ大帝国兵「ははっ!!」


ジホン・ロン「マルクス王国の動きは?」


レガシィ大帝国兵「早馬の情報では森の陣を解き、国境沿いの占領政策をしている模様です」


ジホン・ロン「国境沿い?何を考えてるのか分からんな…不気味な国だ…とりあえず王侯貴族や極維党は奴隷に落とせ!!」


レガシィ大帝国兵「ははっ!!まだ極維党の残党が各地に点在して抵抗しています」


ジホン・ロン「しらみ潰しに残党狩りを行え!!」


レガシィ大帝国兵「はは!!」


クックククク…ここが終われば次はマルクス王国の番だな…




   〜〜〜マルクス王国 王都〜〜〜



民衆「ワァァーーーーーーーー!!!」


民衆「マルス様ーーーーーーー!!!」


民衆「成人の儀おめでとうございます!!」


王城のバルコニーから民衆に向け手を振る


今日は祝日なので、奴隷や民衆も王城に駆け付けわしを祝ってくれている


実にくだらん…何か祝うヒマがあれば生産活動をした方が豊かになれると思わんのか?


16歳の若者は教会や寺院で成人を一斉に祝う、アリアも今日は教会に行ってる


宗教も実にくだらん…転生前に流行ってた宗教とか、ベツレヘムで生まれた大工の息子が30過ぎて一念発起して、たった3年で世界一有名な教祖になったが、その話の内容は、バカップルが果実食って人類全員罪とか完全に意味不明な話しだ、よう信じれる気になるな…そんな時間が(以下略


さて…この後は貴族との社交会が催される予定だが戦時を理由にキャンセルした、実にくだらんからな



コンコン



カシム「カシムです」


わし「入れ」


カシム「成人の儀おめでとうございます、月間報告に参りました」


わし「口頭で頼む」


カシム「ははっ!!商人の怒りも収まり、商人の西部開拓への移住者多数…それは良いんですが…多過ぎます…」


わし「だろうな…半分はウゴン亡命政府に行かしたいが最前線だしな…投資しても安全に回収出来なければ、投資もせんしな…とりあえず、国の命令で移動に従う商人は、貴族に貸した金を返すと言って、西部開拓は抽選だな、ウゴン亡命政府の治安が落ち着いたら移動させて行く」


カシム「ははっ!!」


わし「聖カトレイア政策だが、港にはマルクス銀行や郵政銀行も作れ」


カシム「聖カトレイアも金融改革させるのですか?」


わし「少し違うな、共通通貨にすれば、向こうがこれだけ予算が欲しいとなっても、こちら側が発行権を持ってるからな、逆らえなくなる、金貨と銀貨が無くなるまで絞り取ってやる、政府紙幣や中央銀行を作ろうとしたら全力で潰す♡」


ちなみに政府紙幣を発行しようとしたケネディ大統領やリンカーン大統領は…センセーショナルに殺されてます(笑)不思議…


カシム「なるほど…恐ろしいですね、完全に属国…」


EUとかは共通通貨だ、EU加盟国はユーロを無限に発行出来ないからギリシャショックが起こる、そりゃイギリスも離脱するわ


日本なら国債の金利が100兆円だろうと1000兆円だろうと借換債を発行して終わり、借金を無限に増やせれるからな、ちなみに子会社の日本銀行に国債を全額買い取らせれば金利は0円だな



カシム「あと、ヨミ元右大臣の後任はどうしますか?」


わし「右大臣のポストはジアンビにする、自治権やマルス自由都市に関しては…ふーむ…息子とかいるのか?」


カシム「やんちゃなドラ息子が居ます」


わし「廃人のヨミには治世は無理だ…とりあえずドラ息子に継がせろ」


カシム「良いんですか?ドラ息子で?」


わし「お利口さんで良い子は基本的に使われる人間になる、何か面白い事が起こるかもな、まぁ試してダメならまた替えれば良い」


カシム「た…確かに…」


わし「それより物価はどうだ?」


カシム「はは!!工場の民間投資や国の工場投資も活発になり、増税の効果でインフレ率は6%ほどに下がりました、鉄道の高速輸送で、物価の地域差も余りありません」


わし「もう少しインフレ圧力を下げるか…保険金詐欺でもするか…」


カシム「保険金詐欺ですか?」


わし「まぁ詐欺と言うか保険は統計学だから100%保険会社が損しない様に設計されてるからな、甘めの火災保険や生命保険を作って国民にお金を使わそう、ウゴン亡命政府樹立の投資に関しても保険を作れば投資するかもな」


カシム「なるほど…難民さらに増えそうですかね?」


わし「レガシィ大帝国にウゴン王国が占領されて難民がドカッと増えたら対処しようが無いからな、ただ向こうは超圧政だからな、移動制限かけそうだ、奴隷も鎖で繋いでる徹底振りだしな」


わしなら、敵国がインフレしてれば、わざと難民を敵国に輸出して困らすがな(笑)デフレなら消費が増えるから歓迎するが、国民が分断するリスクもあるから注意は必要だ


カシム「大丈夫ですかね?」


わし「とりあえず、国境封鎖は続けろ、弱者は入れてやれ、年寄りでも消費率は成人と比べて80%と意外に高いからな、本音を言えばインフレしてるから入れたくは無いがな…」


カシム「マルス様は優しいですね」


わし「はははははw優しいとは全然違う、国家安全保障だ」


カシム「どう言う事ですか?」


わし「例えば凄まじく格差が広がったとしよう、1割の人間が全てを持ち9割の人間が極貧で差別もされてる、ある日に天変地異が起きて、軍も警察も麻痺したらどうする?」


カシム「やっぱり、金持ちムカツクとなって略奪とかしますかね?」


わし「そうじゃ、わしもする、石とかガンガン投げるな」(笑)


カシム「確かに、だから奴隷にも優しいのでは無くて、国家安全保障の為ですか?」


わし「いや…身分に関係なく、人間には可能性があるからな、それを広げるのが国の勤めじゃ、もちろん安全保障と言う側面もあるがな…とある歴史書でな、奴隷を大量輸入してた大国家があってじゃな、奴隷解放で戦争して、解放奴隷が増えたんじゃが、現地の人は仕事を奪われるとか、今いる奴隷と共謀して反乱を起こすんじゃないかと戦々恐々としてな」


カシム「また争ったのですか?」


わし「いや、元いた大陸に帰して解放奴隷の国を作ったんじゃ、現地人の土地を武力行使で奪ってな」


カシム「自己中ですね」


わし「しかし、今度は同じ人種なのに解放奴隷は原住民を未開人として差別を始めて、やがて対立しだしたんじゃ」


カシム「人間ってアホですね」


わし「ま…差別が新たな差別を呼び、憎しみが新たな憎しみを呼び内戦が続き、ずっと最貧国じゃな」


カシム「差別や憎しみは連鎖しますね」


わし「実は30年ほど平和な時期があったんじゃ、それは、その時の独裁者が差別されてた人の地位や格差を是正する融和政策を取った時期は平和じゃったな」


※ちなみにリベリア国の話し


カシム「なるほど、マルス様の政策にピタリと当てはまりますね」


わし「うむ、カシムの言う通り、憎しみや差別は連鎖する、しかし差別も格差も憎しみも無ければ、ある日突然、天変地異が起きても皆で手を取り復興しようとするじゃろ、国家安全保障じゃな」


カシム「た…確かに…」


わしは転生前にDNA検査をした事がある


わしの祖先は20万年前にアフリカに住んでて、7万年前に西インドに住んでて、2万年前に中国とロシアの国境に住んでて、紀元前4000〜2000年頃に北朝鮮を渡って日本に上陸した弥生人じゃな、ハプログループはZなので日本でも、かなり珍しい系統だが


わしは、元アフリカ人で西インド人で中国人で朝鮮人で日本人だった


人種や宗教や国同士で争うとか実にくだらんのだがな



バン!!



アリア「まるしゅ様あぁん♡」


わし「な…なんじゃアリア」


さ…酒くさ!!


アリア「成人の儀でぇ〜お酒がふりゅまわれて調子にのってのんらった♡あはははは」


わし「お酒に飲まれるんじゃ無い」


人の事言えんが…


アリア「ねぇ?なぁんでぇ、愛してくれましぇんの?死にたいにょ?」


こ…こわ!!


わし「お前どんだけ飲んだんだ!!」


アリア「答えんかい!!」


うほぉ〜やべぇ〜カラミ酒やべぇ…


わし「アリアが好きだ!!」


アリア「ほんとでしゅか!!」


わし「本当だ!!」


アリア「ほんとのほんとのほんとのほんとでしゅか?ウソだったら殺しましゅよ?」


わし「ああ!!本当だ!!」


アリア「じゃあぁ、シルビアから聞いたんだけぇどぉ、しゅきなら、セックルってのしてくらさい」


シルビアめ!!また余計な事を


わし「ど…どうすれば良いのかな?」(汗)


アリア「穴に棒を突っ込んでぇ、ぐりぐりしたりぃしゅる!!」


わし「おお!!なるほど!!」


カキカキ…


わし「カシム!!早速この紙に書いてる奴を急いで持って来い!!すぐそこの引き出しにある!!急げ!!命に関わる!!」(焦)


カシム「はは!!」


アリア「チュウしましょ!!チュウ!!」


わし「まぁ待て待て、セックルしながらのが燃える!!」


アリア「ほんとれすかぁ?」


カシム「持って参りました」(汗)


わし「この、すり鉢と言う穴にじゃな、この不思議な粉と水を入れて、すりこぎ棒でグリグリするのじゃ」


グリグリグリ…


アリア「ん〜〜〜?気持ち良くなりゅって聞いてたけどぉ、なんないっしゅね」


わし「ほれ、出来たぞ!!この白い汁を飲むのじゃ」


アリア「あ!!シルビアが言ってましたぁ…白い汁がでりゅとか、これれすか?」


わし「そうじゃ!!ゴックンと飲んだりするのじゃ!!ほれイッキ!!イッキ!!イッキ!!」


アリア「ふぁーーーーい」



ゴクゴクゴク…





バターーーーーン…



わし「めちゃくちゃ効くなこの睡眠薬…薬の製作で色々と取り揃えたが…自分の才能が怖いぜ…」


カシム「大丈夫ですかね?」


わし「大丈夫だろ…マジで目が据わってたからな…死を覚悟したのは2回目じゃ…」(転生の時以来)


カシム「危険でしたね…アリアさんには酒を飲ませない様にしましょう」


わし「まぁ王族と奴隷が仲良く出来る国を目指してたから、良いっちゃ良いんだがな」(笑)



次回に続く…



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