第57話 わし 大追跡
ブロロロロロロー!!
わし「エッジを攫った奴の特徴と乗り物は」
アベル「はい、3人組で荷馬車で逃走してます」
わし「じゃあ街道を逃げてる可能性が高いな」
アベル「はい!!街道を北上します!!しかし、だいぶ暗くなりましたね」
わし「大丈夫じゃライトを付ける」
ペカーーーーーー!!
アベル「これは凄いですね!!」
わし「電池も作ったみたいじゃな…エッジとは何者じゃ天才の域を超えとる」
アベル「これもマルス様の考案じゃ無いんですか?」
わし「原理は知ってるが、設計図や指示書には盛り込んで無い」
アベル「原理を知ってるだけで、凄いと思いますが、暗闇では馬も走れないので、もう少し進んだ所の何処かで身を潜めてると思います」
わし「こう言う時とかに索敵チートとかがあれば…」
アリア「マルス様、大丈夫です、私は夜目が効きます」
わし「アリア本当か!!夜目凄いな!!」
アリア「……もう一度言ってください…」ドキドキ…
わし「ん?…よめ…あ…メンドクセ…」
アリア「これからは夜目(嫁)のアリアと呼んでください」
わし「カレンはどうじゃ?」
カレン「私もそこそこ、いけますわ」
わし「おお、流石じゃ」
アリア「私も褒めて下さい!!」
わし「褒めたじゃ無いか!!夜目凄いって…あ……」
アリア「幸せです…♡」
勝手にしてくれ…
アベル「ん?あの馬車が怪しいです!!」
アリア「何人か居ますね」
アベル「おい!!そこの馬車止まれ!!」
わし「止まらんな、怪し過ぎる」
シュバ!!
キィィィン!!
わし「おお…矢を放ってきたぞ…アリア良く見えるな暗いのに飛んできてる矢を切るとか達人だなおい」
アリア「夜目(嫁)のアリアなので余裕です、夜目(嫁)パワーです」
わし「お前それ言いたいだけだろ」
カレン「私にお任せを」
バン!!バン!!バン!!
わし「おい!!エッジに当たったらどうする」
カレン「夜目(嫁)のカレンにお任せください、射手を狙い撃ちです」
アリア「おい!!もっと矢を撃って来なさいよ!!夜目(嫁)の私が活躍出来ないでしょ!!」
趣旨が変わって来てる…
わし「ゲッ!!荷馬車を切り離したぞ!!ちょちょと!みんな何かに捕まれ」
キキィィィ!!ドスン!!
車と荷馬車の衝突は避けれたが、大きく脱輪してしまった
ドドドドドド……!!
わし「くそう!!逃げられた!!皆んな大丈夫か?」
アベル「ええ…何とか、マルス様は」
わし「わしは大丈夫だ」
アリア「夜目(嫁)のアリアは大丈夫です」
カレン「何とか大丈夫ですわ」
切り離された荷馬車から声が聞こえる
タキ「いたたたた…師匠!!師匠!?」
傭兵「こっちに来な、グズグズするな餓鬼が、くそう見捨てられたぜ」
わし「おい待て、お前らは何者だ、誰の命令だ」
傭兵「俺は金で雇われただけだ」
わし「雇われた金の倍出す、今すぐその少年を離せ」
傭兵「信じられんな」
わし「ほれ、こんなんいくらでも作れる」
傭兵「周りが暗くて見えないが、本物か?」
バキューン!!
傭兵「くそ!!何だ痛い…ちい!!」
わし「逃げたぞ!!」
アリア「はっ!!」
ドサ……
凄い連携だな…
わし「少年に当たったらどうすんだ、危ないな」
カレン「夜目(嫁)なので大丈夫です」
まだ…続いてんのか
ズドドドドド!! ズドドドドドド!!!
わし「む?カインか…」
カイン「マルス様!!ここでしたか!!お怪我はありませんか?」
わし「大丈夫じゃ、わしを心配するよりエッジを攫った輩を追え、カゼハヤにも通達しろ!!エッジが攫われるのは最大級の国難とな!!」
カイン「はは!!カゼハヤにはもう通達してます、お前達!!今すぐに騎馬部隊は追跡せよ!!手の空いてる者は早馬で王都に連絡しマルス様の手当だ!!」
マルクス騎馬部隊「おおおおおおお!!!」
ズドドドドドドド!!!
〜〜〜マルクス王国 北街道 外れ〜〜〜
セリーナ「はぁはぁ…ちくしょう、しつこい奴らだ、まぁ…それだけアンタに価値がある証拠だけどね」
エッジ「セリーナさんって工作員だったんですね」
セリーナ「ふん、最初はあんたに色仕掛けで落とせと言われたがね、全く靡(なび)かないから、女としての自信無くしたよ」
エッジ「僕は精神がお爺ちゃんですからね、でもセリーナさんは綺麗ですよ、僕は好きです」
セリーナ「なななな何言ってんだ!!」
エッジ「あと、僕を攫っても意味無いですよ、技術ってのは一朝一夕では無理なんです」
セリーナ「そんなの知らないよ、アタイは依頼をこなしてるだけさ」
エッジ「僕はね、この世界に来る前にも同じ様な仕事をしてたんだ」
セリーナ「はぁ?頭おかしいのかい?」
エッジ「まぁ聞いて、その世界でね、ヘンテコな乗り物も作ってたんだけど、発展途上国だと技術の蓄積が無いから、ヘンテコな乗り物は作れないし、作れたとしても性能が低いから売れないんだ、それだけ技術の蓄積の歴史って大切なんだ」
セリーナ「それを聞いて、アンタを逃すと思ってんのかい?」
エッジ「僕がこのまま連れ去られた場所で最新の武器や最新の蒸気機関は技術の蓄積が無いから実現不可能なんだ、それに、僕が居なくなっても、受け継ぐ人は育ってるしね、その役立たずの僕を連れてって、その時にセリーナに害があると嫌だなって思ってさ」
セリーナ「私の知ったこっちゃ無いね、アンタを送り届けるのが私の仕事だって言ったよ」
エッジ「それを聞いて安心しました」
カゼハヤ「それを聞いて安心しました」
暗闇から忍び寄る影
セリーナ「何者だい!!」
カゼハヤ「私はマルス様の影の者、エッジ様の命を最優先と思ってましたが、最悪エッジ様が死んでも、マルクス王国的には問題無いって事が分かりましたので、安心しました」
セリーナ「影なのにベラベラ喋るのね?あんたモテないでしょ」
カゼハヤ「影なので持てません」
セリーナ「上手いこと言ったつもり!!」
キン!!
キン!!
ザザザ!!キィン!!
キン!! キンキンキン!!
キィィィン!!
暗闇の中で動く2つの影と不気味な金属音だけが響く
セリーナ「はぁ…はぁ…本当しつこいね!!」
カゼハヤ「それでは、終わりにします」
セリーナ「ち…ちくしょう…」
ドン!!!
カゼハヤ「エッジ様、何してるんですか!!退けて下さい!!」
エッジ「セリーナ!!今の内に逃げるんだ!!」
セリーナ「…アンタ何処までお人好しなんだい」
ザザッァ!!
カゼハヤ「ふぅ…もう追いませんから離して下さいエッジ様」
エッジ「まだダメです…」
カゼハヤ「ピュィィィーーーーー!!」
ザッ!!
影の者「カゼハヤ様、如何いたしましょう」
カゼハヤ「追跡解除だ」
影の者「はは!!」
カゼハヤ「エッジ様、離して頂けますか?」
エッジ「まだダメだ…、あと1時間」
カゼハヤ「分かりました、エッジ様の奪還と保護を王都に伝えよ」
影の者「分かりました」
こうして、大追跡は終わったのであった
次回に続く…
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