第46話 ぼく 転生したら平民だった件
僕の名前は和氣 圭吾 今日たぶん死ぬ…
兄が突然死して、超一流企業の経営を任された
技術者として兄と創業当初から仕事に携わってる、現場からの叩き上げだ
家族贔屓と思われたく無いから寡黙に必死に努力した
生前から兄に経営を教えてもらってたが、兄の様に先進的でも前衛的でも無い保守の僕は、会社を維持するので精一杯だった
和氣虎吉「創業は易く守成は難し」
と言ってたので、あの世に行ったら褒められるかな…
天寿を全う出来て、僕はしあわせだ…
死に際でも割と冷静に物事を考えるなと、自分に関心する
どれくらい時が経っただろうか
人によっては、数秒かもしれないし、数年かもしれない、時間を引き伸ばされた感覚と言った方が早いだろうか
母親「エッジ起きな!学校だよ!!」
エッジ「あれ!!なんだここは!!」
母親「何寝ぼけてんの!!マルクス大学校に遅刻するよ」
エッジ「は?…え!!皺も無い!!何処だここは」
母親「いつまで寝ぼけてんだい!!早く行きな!!」
叩き起こされ、意味も分からないまま家を出る…ここは何処だ?
随分と古めかしい建物だ、中世辺りか、街も汚いし活気も無い、道すがら人にマルクス大学校の場所を聞き、やっと辿り着いた…はぁ…
カシム「エッジどうしたんだ呆けて?」
エッジ「あ…いや…どなたですか?」
カシム「…ギャグセンスないなお前…それより講義に遅れるぞ」
この後…カシムとやらに色々と聞いた、どうやらマルクス王国とやらに転生したみたいだ…超の付く弱小国で大国に囲まれてる、生存戦略的に呑気に授業など受けてる場合じゃ無い、図書室に行き…色々と調べてみる、まぁ何とかなりそうだ…
時間は有限だ、早退して家に帰る
エッジ「母さん?」
母親「なんで疑問系なんだい、体調が悪いのかい?」
エッジ「僕…学校辞めます」
母親「何!!バカな事言ってんだい!!せっかく大学校まで行ってるのに!!ゆくゆくは、お役所勤めか城勤めも、あり得るんだよ!!」
エッジ「そうなったとして、他国に侵略された場合はどうやって生きて行くんですか、お役所勤めが長くても、何も物やサービスを生産する能力も無いのに」
母親「良いから言う事聞きいて!!安定した仕事に就きな」
エッジ「全く安定してると思えないので、どう安定してるのか論理的で合理的で現実的な説明をして下さい」(兄みたいな言葉が出る…
母親「この分からずや!!出て行きな!!」
現在は未成年なので親は未成年の子を扶養する義務(民法877条)それに自宅に同居させて監護・教育に努めないといけないんだがね(同820条)親はすぐ法律違反をするね
エッジ「まだ農民の方が食料を生産出来るので安定してると思います、しかし話しても埒があかないので、出て行きます」
家を出る、行く場所は決めてる、やるなら鍛治職人だ、高い技術が身に付けばニューコメン外燃機関から作製して行こう
〜〜〜それから3年〜〜〜
城下町が清潔になった、新しく国を任されたマルス王子の政策だ10歳なのに、しっかりしているが、もうこの国は長くは無いだろう、元々技術者でもあったのですぐ鍛治の腕は上がった、今は独立して生活費の為に剣も作ってる
ニューコメンの部品も半分は出来た、他にもボイラー技術を身に付けたいが、とりあえず食っていける技術は身に付いたので、比較的国が安定している聖カトレイア国かレガシィ大帝国にそろそろ移住を考えてる
そんなある日…
城勤めに大出世したカシムから声がかかる
カシム「エッジさコレ作れる?」
設計図を渡される…
エッジ「!!!!!????お前!!!これ何処で手に入れた!!!!!!!」
カシム「どうした急に!!ビックリするじゃないか!!コレはマルス様が設計した奴だよ」
エッジ「嘘付くな!!10歳が考えられる訳無いだろう!!」
カシム「そんな事言われても、本当だし、マルス様にめっちゃニヤニヤしながら渡されたぞ、金貨もてんこ盛り渡されたけど、とりあえずエッジに相談しようと思ってさ」
エッジ「…これ作れるよ、と言うかもう半分は出来上がってるボイラー作る金と人手が欲しかったとこさ」
転生前でもボイラー技師は年収良いのよね
カシム「おいおいマジかよ!!」
エッジ「半年もあれば設計図の性能の半分くらいのはとりあえず作れる」
カシム「じゃあお前に一任するよ、マルス様に報告しとく」
その3ヶ月後には、今度はジアンビと言うカシムの使いが来る
ジアンビ「これは国家機密です、マルス様がエッジ様の技術なら製造可能だろうとの事です」
今度は銃の設計図だ…
フリントロック式か、マッチロック式(火縄銃)は飛ばすのね…
マルス様って一体何者だ…この国も捨てたモンじゃ無いな…
〜〜〜それから1年〜〜〜
ニューコメン外燃機関を納品して、大変喜ばれたマルス様は、国費でエッジ工房と工場を建ててくれた、毎月外燃機関を生産してるが、今度は改良型の水蒸気機関だ設計図の吸気弁と排気弁は改良の余地があったので改良している
マルス様は技術を少しづつ上げて行ってるのが分かる、無理難題を押し付けられず、育った職人をマルス工科学校に教師として雇用し若い職人の育成にも努めてる、素晴らしい王子だ…
あれからマルクス王国は工業力を高め近代化を推し進め紙幣を作ったりまるで転生前の世界みたいだ
国民経済も豊かになり、転生前とここまで変わるか…
今後が楽しみだ…
次回に続く…
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