第二章 近代化と産業革命
第28話 わし と各国の思惑
〜〜〜聖カトレイア国〜〜〜
聖カトレイア大臣「たたたた…大変です!!サイマール砦外の野戦で我が軍敗退、捕虜多数、カンビ将軍の安否不明」
ガタッ!!
デモクリト枢機卿「ま…まさか…、それで勝った勢いで我が国に侵攻か?」
聖カトレイア大臣「いえ、マルクス王国からの侵攻は無く、王都へ順次帰還してるとの事、それでマルクス王国側から捕虜の身代金要求の使者が来ました」
デモクリト枢機卿「ひ…ひとまずは安心だが…カンビ将軍め!!あれほど侮るなかれと言ったのに!!」
ステファニー女王「どうされました?」
デモクリト枢機卿「ははっ!!女王様、マルクス王国との戦で負けました、戦争を仕掛けてたのは私ですので、責任は私にあります」
ステファニー女王「神の御加護が我が国に無かっただけでしょう、捕虜は出来るだけ助けてあげなさい」
デモクリト枢機卿「分かりました、捕虜の数は?」
聖カトレイア大臣「捕虜3000以上と…傷病兵も2000以上、合わせて5000以上」
デモクリト枢機卿「ななな!!5000以上!!バカな!」
ステファニー女王「慌ててもしょうがありません、敗走兵を迎える準備と、捕虜の試算を出して、マルクス王国の使者に伝えなさい」
デモクリト枢機卿「はは!!」
〜〜〜レガシイ大帝国〜〜〜
ジホン・ロン「マルクス王国とはそんなに強いのか」
ジホン・ロンはレガシイ大帝国の王、先王の3男だったが、兄達と家督を争い、それに勝ち、兄達一族郎党を粛清し強権を振るう
レガシイ大帝国大臣「詳しくは知りませんが、圧勝だったと…」
ジホン・ロン「ふん!!最近は面白く無い事ばかり続くわ、国境を接してるウゴン王国のペストの脅威に晒されてるわ…わけわからん蛮族とのいざこざも絶えぬ…。マルクス王国か…ほっといても潰れそうだったから気にもならなかったが、興味深い…詳しく調べろ」
レガシイ大帝国大臣「はは!!」
〜〜〜マルクス王国 自由都市〜〜〜
わし「ふーーーむむむ…ふーーーーーむむ」
うーん…捕虜を奴隷として引き渡す為に凱旋途中で寄って見たが、自由都市の開発スピードヤバいな…
とりあえず、国主導の自由都市への資本投入は引き上げよう、ヨミや貴族や商人達が思った以上に投資してる…どんだけ貯め込んでたんだ…
敵物資をばら撒いても計算上、食料品は下がると思うが、日用品のインフレは高いままだな、戦争もひとまずは終わったから緊縮財政にしよう、それでも下がらなければ最悪増税だな
国の支出先を絞らなければ、インフレを止めるには供給力を高める鉄道や街道設備と工場だな
建設のインフレが凄いので、セメントや建材の工業化は急務だな、樹木は輸入に頼るか
後は王都と自由都市の間に駅を作って、分散投資する様にヨミや商人や貴族に、けしかけるか…そこに各学校の分校や居住区を作って行こう
引き渡した奴隷の待遇を上げたいが、待遇を上げると、また国の支出や奴隷の消費が多くなってインフレになるから、申し訳無いが、まだ今まで通りだな…ただ人権は守る様に厳命しよう
ダダダダダダ!!
ヨミ「はぁはぁ…これは!!マルス様!!」
わし「お〜ヨミか元気か?」
ヨミ「ええ!!元気ですとも、此度の戦、大変!!大変おめでとうございます!!、私めも私財を投げ売って食料や武器を用意しましたから」
そりゃ…一蓮托生だしな
わし「分かっておる、しかし…なかなか壮観だなこの街は」
ヨミ「ええ、マルス様のお役に少しでも役に立てればと不肖のヨミめでありますが全力で有力貴族や商人と力を合わせてマルクス国に貢献しております、これからも何卒よろしくお願いします」
わし「分かっておる…ヨミには期待しておる」
ヨミ「あ!!ありがたき!!ありがたき幸せ!!」
カイン「………。」
わし「どうした?カイン?」
カイン「あのヨミの変わりようは…どんな魔法を使ったんですか?」
わし「魅惑魔法…アメートムーチじゃ」
カイン「…はぁ…?」
わし「わしを裏切ったら死ぬけど、裏切らなければ、もっと儲かる、こんな感じじゃ」
カイン「そうですか…しかし、奴は油断なりませぬぞ、マルス様の兄上、マルカス様の件もありますからな」
マルカス?兄上?前も言ってたな…全然知らんからスルーしとこう
わし「分かっておる、奴から忠誠は感じ無いからな」
だからこそ御しやすいんだがな(笑)
遠くから聞こえる機械音
シュオオオオオオオ!!!シュッシュッ!!
わし「おお!!蒸気機関車では無いか!!もう完成してたのか!!貨物列車か、人を運ぶ日も近いな」
わしの思い描いてた近代都市の様相…
オラ…ワクワクすっぞ!!
わし「よし、今日はここで休んで王都に凱旋だ!!!!」
マルクス兵「おおおおおおおお!!!」
次回に続く…
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