第6話 わし 奴隷制に触れる

今日は城下町の様子と清掃状況の確認に来てる


この国は奴隷制がある、転生前と違い、より顕著だ当然の様に人権は無く物や所有物として扱われる


わしが、転生前の若い時、香港に住んでた時代があった、その時に家政婦を雇っていたんだが、日本人の感覚的に奴隷は馴染みは無いので、家族と言う感じで接していた


一緒にご飯を食べたり、誕生日を祝ったり、買い物に行った時に欲しそうにしてる物があれば買ってやったりした


白人の友人に、そんな事をしたらダメだと怒られた


最初は意味が分からなかったが、周りに聞くとそう言うもんだと言う、まぁ…いまさら変える事も出来ないし、日本人とはそう言うもんだ


感覚的には従業員に格別な待遇を与えてる感じかな


そして、理解する必要も軽蔑もない、文化の違いだから


その家政婦とは、日本での仕事が忙しくなり、帰国して、それっきりだ


そんな事を思い出してた



お供を連れて城下町に到着


うむ…だいぶ清潔になったな、しかし国民経済はまだまだ活気が無い


スラム街にも着手したい、不衛生な場所は病原菌の温床だ


まぁ…スラム街には欲しい病原菌とかあれば培養もしたいがな…にやり


奴隷商「おい!!コラちゃんと歩け!!グズ共が」


奴隷達「ううう…うぅ…」


ふーーむ…嫌悪感が走るが、これも常識と言う偏見や文化の差だ、常識や偏見は時代や国や文化によって大きく変わる、転生前の世界でも100年後には食料問題で完全栄養食が開発されたとして、原材料はウ○コかも知れんしな


それに、わしがここで、奴隷を助けても、奴隷商も生活があるので金でしか解決出来ない、金を受け取った奴隷商は、また新たな奴隷を仕入れるだけだろう、新たなカルマ(因果)を生むだけで、意味が無い


変えるには、人間の認知か(文化や常識)


需要だな…需要があるから利益が生まれる


わし「むむむ!?」


ふとその中に、磨けば輝く美少女がいる


目を奪われた、わしは


言葉より先に駆け寄ってた


わし「そこの君」


奴隷商「なんだ!!ガキ!!」


カイン「なんだとは貴様!!このお方は!!」


わし「良いカイン!」


カイン「はっ!すいません」


ん?良いとこの坊ちゃんか?


わし「すまんが、そこの少女と話しをさせてくれ」


奴隷商「ああ?急いでんねん!!」


カインがスッと懐から銀貨を出す


奴隷商「まぁ…良いけど、手短に頼むで」


わし「お主、名前は?」


アリア「ア…アリア…。」


わし「アアリアか…」


アリア…首を横に振る


アリア「……アリア」


わし「ははは、すまぬアリアか」


ふむ…目の奥から奴隷特有の卑下した感じはしないな


わし「よし、奴隷商、この子を買うぞ、ドウ シャオ チェン(中国語でいくらって意味)!!」


奴隷商「ドウシャオチェン?この子はガリガリで子供だし性奴隷にも労働奴隷にもならんけど50万マルクス金貨でどうだ?」


この時代の平均月収は7〜8万


わし「アホぬかせ、さっき自分で、この奴隷は無価値同然と言ったでは無いか」


奴隷商「ぐぬぬ…では40万マルクス金貨だ」


わし「では、このマルクス紙幣で払う」


奴隷商「何だこの紙切れは、ふざけるのも大概にせんと…」


わし「はっははははは、そうかそうか、受け取らぬか、分かった、40万マルクス金貨で買おう」



奴隷商「ホンマでっか?あんさんカッコええわぁ、よく見たらイケメンやんか!」


変わり身はや!!いつの時代も商人は逞しいな


わし「アリア、今日からわしが主人だ」


アリア…コクリ


わし「何歳だ?」


アリア「じゅ……よ…ん」


わし「年上じゃねーか!食料事情が悪いんだろうな、同じ歳くらいに見えるぞ」


わし「アリア、これからは、カインに剣や槍や騎馬を教えてもらえ」


カイン「なななんですと!!」


わし「わしの稽古が無いからヒマだろ、わしの剣や盾を育てるのも、家臣の仕事だぞ、励め」(笑)


カイン「……。」


わし「アリア、わしが一般教養を教えてやろう」


アリア「コクリ…」


まぁ奴隷制度に手を付けるのは、おいおいだな


次回に続く…

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