お笑い芸人ランキング Sランク編 笑福亭鶴瓶

笑福亭鶴瓶 Sランク


ボケ 80 Aランク

ツッコミ 85 Aランク

トーク 95 Sランク

落語 95 Sランク

ノーガード 100 Sランク+

裸芸 100 Sランク+


【解説】

柔和な笑みと淀みないべしゃりが特徴的な、本業落語家のレジェンド芸人である。


その風貌と分け隔てない接し方から、いい人イメージが先行する鶴瓶だが、さんまやナイナイなどからは、親しみを込めて『悪瓶(わるべえ)』などと呼ばれている。


タモリと一緒で、鶴瓶の採点には非常に苦慮した。


本業が落語家であるだけに、確かにトークは超一流の実力を持っているが、ボケやツッコミに関しては、たけしや志村のように分かりやすい圧倒的な特徴がある訳ではない、かといって能力が低いわけでもなく、高水準でまとまっているため、いずれもAランクが妥当であろうという結論に達した。


トークはさすがに超一級の腕前である。長年テレビ、ラジオ、落語で磨き抜かれたトークの安定感は、素晴らしいものがある。


観客に話を聞かせる『話芸』という点に於いては、芸能界でも五本の指に入る超一流のスキルを有していると言えるだろう。


しかし、惜しむらくはこの人の性格。本来100点でもいい鶴瓶のトークスキルだが、鶴瓶は集団でいる時や、さんまなど自分と同等以上の実力を持った芸人と共演した時、一歩下がり他者に花を持たせてしまう性質を持っているため、5点引かせて頂いた。


自分一人の独演や、一対一のトークであれば、鶴瓶のトークは誰にも負けないほどの強烈な力を放つのであるが、鶴瓶は性格が優しすぎるのか、集団の中でぐいぐい前に出て笑いを取ったり、自分が同等以上と認めている相手を差し置いて、自分が前に出たりはしない。芸風が『遠慮がち』になってしまうのである。


鶴瓶がもっと笑いに関して貪欲になり、本気でガツガツ笑いを取りに来たら、他のお笑い芸人達は皆危機感を感じ、「やばい。あの人が本気で笑いを取りにきたら誰もかなわない」と、戦々恐々とするはずである。


本来それほどの才能を持った芸人なのであるが、鶴瓶はその性格ゆえ、自分で自分の才能をセーブしている感がある。


とは言え、だからこその鶴瓶という芸人であり、セーブを解き放った鶴瓶は暴走して、エヴァ初号機のように制御不能に陥る危険性も孕んでいるため、『駿河学』が『鶴瓶』という芸人を維持するためには、それは必要不可欠なことなのかもしれない(それが暴走しかけたのが、後述する『裸芸』での一幕である)。


落語に関してもトークと同様、当然高評価。豊富な経験と巧みな話術に裏打ちされた安定感抜群の落語は、Sランク評価に相応しいものである。


さて、『ノーガード』の最高評価についてであるが、鶴瓶という芸人を解説するにあたり、筆者はその特徴を捉えることに非常に苦慮した。


全ての能力が高水準にあるため、鶴瓶が超一流の芸人であることは疑いようのない事実であるが、ではその特徴はと問われると、すぐには思い浮かばない。


しかし、特徴はないですが、全ての能力が高いレベルにある芸人ですと、解説に書く訳にはいかない。何故なら、それではとてもアホっぽい文章になってしまうからだ。


そうして、ない頭を絞り尽くした筆者(いや、誰が低脳やねん)は、苦しみ抜いた末ようやく一つの結論に辿り着いた。


「謎は全て解けた。鶴瓶の他の誰にも無い大きな特徴は、矢吹丈なみの『ノーガード』だったんだ!!」


説明しよう。『ノーガード』とはそのものズバリ、笑いに於いて相手が放ったパンチをまったくガードせず、その力を利用してカウンターで大きな笑いを起こすことである。


鶴瓶はビッグ3と同等の超大物芸人であるにも関わらず、どんな若手芸人にイジられても、鶴瓶さんなら大丈夫かなと思わせる、極めて不思議で奇跡的な懐の広さを持っているのだ。


これは鶴瓶ほどのランクの芸人としては物凄いことで、以前さんまの解説で、全ての売れている芸人は自分の『テリトリー』を持っていると書いたが、鶴瓶はこの『テリトリー』の警備が著しく緩いのである。


いや、初めから警備などおらず、鍵もなく開けっ放し、若手芸人からベテラン芸人、アイドルから歌手、果ては素人に至るまで、誰でも土足で入り放題なのである(せめて靴は脱げと思うが)。


無論、厳密に言えば鍵は掛かっているのだろうが、人に『そう思わせる』のが非常に上手いというのが、鶴瓶の芸人としての稀有な特徴と言えるだろう。


これが例えばさんまや志村の『テリトリー』であれば、若手芸人は恐怖で門をくぐることすらできないはずだ(ちなみに、この一線を平気で踏み越えていくのが、『浜田雅功』という芸人である)。


この類い稀な芸風により、鶴瓶は大物にも関わらず若手のようにイジられ、しかし尊敬され、みんなから愛される芸人という、極めて獲得が困難な位置を勝ち取ることに成功している。


普通人間というものは、成功すればするほど過去の自分を忘れ、プライドだけが肥大化していくものだが、どんなにビッグになっても人を優しく受け入れ、謙虚さを忘れなかったところに、鶴瓶の今日の成功はあるのだろう。


これは芸人に限らず、どんな職業でも通用する人間哲学だと言える。


おっと、危うく締めに入ろうとしていた。


最後の『裸芸(らげい)』最高評価についてである。


厳密に言えば鶴瓶は裸芸人ではないのだが、鶴瓶という芸人を語る上で、27時間テレビの生放送で披露した芸(?)について触れない訳にはいかなかった。


先に結論を言ってしまうと、鶴瓶は生放送で絶対に出してはならない、ナニをナニしてしまったのである。(?????)


これが失うもののない若手芸人であれば、まだ話はわかる。失うものがないのだから、売れるためにはナニでも何でも出そうと思うのは、芸人としてとても自然な感情である。


しかし、やったのは鶴瓶。収入、地位、名誉、全てを手に入れたはずの鶴瓶が、何故何もかもをかなぐり捨てて、ナニ露出という奇行に及んでしまったのか。


理由はわからない。鶴瓶本人の談によれば、泥酔してつい出てしまったということだが、鶴瓶ほどのランクの芸人が、少し酔ったぐらいで知らない内に具が出ていたということが、本当にあるのだろうか?


誤解を恐れずに言えば、局部モロッコヨーグル事件は、柔和な笑みのオッサンの確信犯ではないのか?


ちなみに、一応、本当に念のために言っておくのだが、ナニというのは俗に言うおチ〇チンのことである(結局言ってしまうのであれば、何故ここまでずっとわざわざナニなどと書いてきたのか。謎は深まるばかりである)。


鶴瓶はこれ(モロッコヨーグル事件)以前にも、局内で局のカメラに局部を押し付けて裏スジを見せつけたり、局内で局のカメラの前で肛門を露出したあげく局部を振り乱しながら局内を逃走したり、局の敷地内の池で局の社長の錦鯉を局部を池の水でひた隠しながら踏み殺したりと、アルプスの少女ハイジなみの自由奔放な生き方をしていたらしい。


鶴瓶がこのような極めて破廉恥な行動(局内で局のカメラに局部をさらす)に至った原因は、局の担当プロデューサーに自身のギャグを傲慢な態度で批判されたことへの反発だったそうだ。


前述の生放送でのモロッコヨーグル事件などは、鶴瓶のこの時の成功(性向?)体験に起因しているように、筆者には思えてならないのである(一度出してしまえばこっちのものなのだろう、鶴瓶の局部を露出するハードル、いや、パンツがずり下がっているのだ)。


局への反発から局内を自由自在にフル〇ンで走り回る鶴瓶の生き様は、江頭2:50、とにかく明るい安村、ハリウッドザコシショウ、アキラ100%など、裸芸人達のパイオニア、いや、それ以上のレジェンドと呼ぶに相応しい実績、伝説であると言えるだろう。


当然この鶴瓶の局部モロ出しは局部内で問題となり、鶴瓶は同局を出禁となった。鶴瓶にとってフル〇ンをモロ出しにできない、ストレスの溜まる地獄のような日々が続いていったのである。


普通の芸人であれば、このまま二度とテレビには戻ってこれないような状況であるが、そうはならないのが鶴瓶が裸芸人のレジェンドたる由縁である。


反省した鶴瓶は見事に同局と和解、局部をモロ出したい衝動も次第に治まり、今ではちゃんと上下に服を着て、同局で番組を持つまでに至っている。(?)


「普通の奴なら絶対に許さないけど、鶴瓶ならしょうがないね」


周囲にそう思わせるノーガードの不思議な魅力が、鶴瓶という芸人にはあったのである。


鶴瓶は時に『いい人』の仮面を捨て、暴走する。


だが、それをも一つの魅力だと思わせてしまうほどの、圧倒的な人間力。


鶴瓶という芸人を語る上で、これ以上の言葉はいらないはずだ。

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