近所の億万長者。番外編
桃姫
第1話 今の…
彼と別れて4ヶ月が過ぎた土曜日の午後。
私は用事があり近所を歩いていた。何故かその日は普段通らない道を選んでいた。ワインレッドの車が横切った。窓が開いておりサングラスをしたグレーヘアの日に焼けた男性が乗っていた。
あっ…。あれは紛れもなく彼だった。
少し行った交差点で車が停まった。もしかして気がついたかな?暫く時間が止まった様だった。
一旦停止かと思ったが、やっぱり停車している。
直ぐに走って駆け寄って行った。
思った通り彼だった。一瞬の出来事だったがお互い直ぐにわかったようだ。
姫、元気か?笑顔の彼はそう言った。
元気だよ、寂しかった。ずっと考えてたよ。居なくなってから姫の事考えた?
まぁ〜それは考えたりはするわな〜。
私は握った彼の手を離せなかった。
手をぎゅっと握ったり触ったりしてその場から動けなかった。もう一度だけ会いたいな。
私は、聞いてしまった。もう別れたのに。
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