「噓つきのパラドックス」をわかりやすく考察
神離人
「この文は偽である」の真偽は……?
@この文は偽である@
本作品は、嘘つきのパラドックスを解き明かそうとしたものです。
証明とかわかんないので、やり方と条件設定だけになります。
文を分けたりしているので、日本語限定のやり方になります。
それでもよろしければどうぞー。
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【前提】
「この文は偽である」は自己言及している
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【準備】
「この文は偽である」を、
「この文は」と「偽である」に分類する
「この文は偽である」は、
効果を持たない文として使用する
(「この文は」「偽である」と重複するため)
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【定義】
真の文定義
「文に偽がひとつもないこと」
偽の文定義
「文に偽がひとつ以上あること」
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【過程】 数字は処理の順番
※効果や真偽判定は、基本的に文章を読む順に処理する
※効果対象が存在しない場合、処理を後に回す
※真偽判定は全ての効果処理後に行う
a.もしも『この文は』の効果対象が『この文は偽である』の場合、
「この文は」@概要:『偽である』の効果対象が決まる
①効果:対象は『この文は偽である』
③真偽:真偽対象は『この文は』
:偽を付与されていないので真
「偽である」@概要:『この文は』で指定された対象に、偽を付与する
②効果:『この文は偽である』を対象としているので、
『この文は偽である』に偽を付与
④真偽:真偽対象は『偽である』
:偽を付与されていないので真
「この文は偽である」
@概要:全体文
⑤真偽:真偽対象は『この文は偽である』
:偽を付与されているので偽
b.もしも『この文は』の効果対象が『この文は』の場合、
「この文は」@概要:『偽である』の効果対象が決まる
①効果:対象は『この文は』
③真偽:真偽対象は『この文は』
:偽を付与されているので偽
(対象は『この文は』のまま、偽という属性が付与される)
「偽である」@概要:『この文は』で指定された対象に、偽を付与する
②効果:『この文は』を対象としているので、
『この文は』に偽を付与
④真偽:真偽対象は『偽である』
:偽を付与されていないので真
「この文は偽である」
@概要:全体文
⑤真偽:真偽対象は『この文は偽である』
:偽を付与されていないので真
c.もしも『この文は』の効果対象が『偽である』の場合、
「この文は」@概要:『偽である』の効果対象が決まる
①効果:対象は『偽である』
③真偽:真偽対象は『この文は』
:偽を付与されていないので真
「偽である」@概要:『この文は』で指定された対象に、偽を付与する
②効果:『この文は偽である』を対象としているので、
『この文は偽である』に偽を付与
④真偽:真偽対象は『偽である』
:偽を付与されているので偽
「この文は偽である」
@概要:全体文
⑤真偽:真偽対象は『この文は偽である』
:偽を付与されていないので真
もしも『この文は』の効果対象が別の何かである場合、
自己言及ではないため不成立
文が「私は嘘つきである」などの場合、
文が嘘であるとは明言していないのでパラドックスにならない
発言主に偽(嘘つき)が付与され、文は真(嘘ではない)となる
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【まとめ】
a.
『この文は』の効果対象が『この文は偽である』の場合、
「(この文は)真、(偽である)真」かつ「偽」
=偽が含まれている
b.
『この文は』の効果対象が『この文は』の場合、
「(この文は)偽、(偽である)真」かつ「真」
=偽が含まれている
c.
『この文は』の効果対象が『偽である』の場合、
「(この文は)真、(偽である)偽」かつ「真」
=偽が含まれている
どの場合でも「偽」が含まれているため、
『この文が偽である』は偽であるといえる
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【結論】
『この文は偽である』は偽の文である
Q.E.D. ……みたいな感じー!
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【おまけ考察】
「嘘つきのパラドックスが発生するのは、文の対象が曖昧なことと、文の処理順序が適切じゃないことが原因じゃないかと思います。あるいは偽が生じるから、文を変えてもう一度処理してるとか。一部偽とかは偽の文扱いでいいんじゃないかなと。そういう意味では、今回の見所は【定義】あたりかもしれませんね」
「噓つきのパラドックス」をわかりやすく考察 神離人 @sinrinin
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