孤独なピエロ

彼に話しかけても声を出さずにジェスチャーで応える

一人のピエロ

今は一人だけど昔には仲間がいた、だけど仲間から外された

独りはさみしい、だけどもう戻れない

「なんだか悲しそうね」

「心が壊れてるですって?」

「抱きしめようか?」

ピエロは首を縦に二回うなずく

「もちろん!きっと大丈夫よ」

それからピエロは舞台に向かった。


審査員の問いかけには言葉を使わない

「では、どうぞ」

審査員がそう言うとピエロはマイクを持った


パーティーへ行く子は傷つかない

何も感じない私のように

感情を押し殺してる

彼女は都合のいい女

電話の後彼女はドアを叩く

愛を感じる・・・

感じなくては1、2、3、酒を呑む1、2、3、酒を呑む

意識が飛ぶまで酒を呑む

シャンデリアにぶら下がり揺れている

シャンデリアに明日がまるで無いように

今も必死に生きている、必死に生きている

一晩中鳥のように飛ぶんだ

涙が乾くのを感じる

だが私はまだ人生を愛してる

下を向きたくない、目を開けるのも怖い

朝までグラスに注ぎ続けて、今夜を乗り越えるために

助けてまだ人生を愛してるが、下を向きたくない目を開けるのも怖い

若かった頃私は誰にも頼ろうなんて思わなかった

愛し合うことを楽しんだりもした

しかしもう過去の話、独りで過ごしていると

ふと友を思い出す、電話をしてみたりするけど

みんな留守のようだ、独りぼっちさ

けどもう二度と独りになりたくないんだ

もう二度と独りで生きようなんて思わない

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