零
午後三時の東京。
金曜日、宇宙人が現れた。
宇宙人は人類(一般人が想定する地球人を指す言葉。ここでは他種族との比較のためこう表現する)よりもずっと高い技術力を誇っており、現代兵器の数々をもってしても討ち滅ぼすことは不可能と言えた。宇宙人は人類に対して徹底的な殺戮を行い、人類も決死の防衛を行ったがなんということか、あらゆる他宇宙生命体がこの人類殺戮に加わり、人類には知覚しえない生命体すらも現れ残り少ない命を容赦なく奪っていった。何故だ。何故お前達はここまでして人類を排除するのか!もはや人類最後の生き残りになった少女の叫びに彼らはすべての宇宙を救うためだとそれぞれの文明の言葉で、異音同義語で答えその生命を奪わんとした。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、その体を無量大数に分身させ、とにかくすごい攻撃の飽和攻撃で以てしてありとあらゆる人類の敵を刈り取った。
最後の宇宙人は光に消えてゆきながら叫ぶ。これこそ我らが恐れたものだと、地球人が生み出してはいけなかった悪魔だと怨嗟の声を残した。
生き残りの少女はレールガン女子高生という神を初めて見た。分身していた神は一つの体に戻ると星よりも巨大化していき、地球を抱く。
やがて少女は母の手に包まれたような温もりを感じていく。自分に、世界に、地球に、そして宇宙にこの温もりが広がっていくのを感じていった。
自分が何かに戻っていくのを感じる。昨日の、もっと昨日の?
最後に少女はなんだか今度の自分はプレミアムフライデーで浮かれている気がするなあ、と根拠もなく感じながら、眠るように安らかに意識が閉じていくのを感じていた。
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