鳩の餌
公園で休んでいると、何もないところを鳩がつついていた。
どこかの掲示板か何かで、そういう時の鳩は霊的な何かをつついているんだというのを知ったが、あれもそうなのだろうか?
視線をやると、鳩が三羽ベンチの下までつつき始めた。いったいそんな暗い所まで、霊的な何かはそんなに美味しいものなのだろうか。そう心の中で突っ込み始めた時、ベンチ下の暗闇に何かを見た気がした。
次の瞬間、それが気のせいでないことに気がついた。
頭を入れていた三羽の鳩を、それは餓鬼のように痩せ細った恐ろしい様相で闇の中に引きずり込んだのだ。
その時、世の中には知らないままであるべき世界があることを知った。自分が座っているのもベンチだ。ぶら下げている踵を後ろに引いたら、それはいるのだろうか?
結局試す勇気もないまま、公園を去った。あれからその公園には行っていない。
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