名前はルイーナ ⑧
そして食事を食べ終えると電気が消され真っ暗になった。
何事かと思っているとカートに乗せられて、ロウソクがついたケーキが運ばれてきた。
シャロン様とジョージア様が「ルイーナ、お誕生日おめでとう」というのを皮切りにエミリア様たちだけでなく、メイドのみなさんや執事の皆さんもそうした言葉をかけてくれる。
その光景にたまらずまた涙が流れた……
「ふぇ……あ、ありがとう、、ありがとうございます…………ほんとに……ありがとうございます………」
今日は涙腺崩壊記念日だ。
こんなに泣く日はきっと生涯ないと思う。
こんなに幸せなことはこれからきっとないと思う。
そうしてみんなでケーキを食べた。
それが終わるとエミリア様とエドワーズ様とレジナルド様と4人でお話をした。
エミリア様は16歳、エドワーズ様は15歳、レジナルド様は13歳だという。
エミリア様とエドワーズ様は今貴族校に通われているようで、レジナルド様は来年から通われるそうです。なので、ほどほどにお話をしたら3人ともお休みの時間のようで「おやすみなさい」と挨拶をしてお部屋に行かれました。
本当に素晴らしい子供たちですね。
そして私はシャロン様とジョージア様に呼ばれサロンと呼べれる部屋に行きました。
「子どもたちがごめんなさいね。あなたが来るかもと分かってから、ずっと楽しみにしていたの。特にエミリアは女が一人だからお姉様ができると嬉しくってね。」
そうおっしゃって下さいます。
「ありがとうございます。……でも、」
「ルイーナ。あのね、あなたが親の罪をかぶる必要はないの。あなたの両親がやったことはよくないことだったと思うわ。でもそれはあなたがやったことではない。
あなたは関係ないのよ。あなたが生まれる前のことで、あなたには防ぐことなんて到底できなかったのだから。だからあなたは堂々と胸を張って生きなさい。平民だからと自分を卑下する必要もないわ。うちの領民は誰も『平民だから』だなんて言わないわ」
そう力強くシャロン様はいってくれます。でも……………
「ふっ………私の両親は犯罪者で……私はその両親にさえも必要とされなかった……」
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