結婚式の終幕
そして、晴れの舞台に招いたはずの招待客の皆様にご挨拶致します。
「皆様、お見苦しいところをお見せ致しまして大変申し訳ございません。先ほど話に上りましたが、本日から私がカシミール侯爵家当主となりましたシャロンでございます。まだまだ未熟者でございますので、どうぞご指導くださいますようお願いいたします。正式なお披露目は後日させていただきますが、本日はこれから珍しいお酒にデザートもご用意しておりますので、最後までお楽しみくださいませ。また、本日のお詫びの印としましてお土産もご用意いたしておりますのでお帰りの際はお声がけください。
それではご準備を」
最後に使用人たちに準備を始めるよう伝えるとにぎやかな曲が始まりを知らせるように流れ始め、この国では珍しいお酒や、色とりどりのデザートの準備が始まります。さっきまでの張りつめていた空気が楽しいものに変わっていくと心が溶かされていくようです。
「シャロン嬢、お疲れ様」
「ジョージ様、そしてエヴァンズ様。本当にありがとうございました。ジョージ様が何度も一緒に来て下さると言っていたのを私が頑なにお断りしておりましたが、招待だけでもと来ていただいて本当に良かったと思っております。私一人ではどうすることもできなかったかもしれません…」
「いや、あれはシャロン嬢じゃなくても対処できないと思うよ。念のため、衛兵も連れてきておいてよかったよ。最後は無理やり連れて行ったような形だしね」
ほんとに、猿轡って必要なものだわと実感いたしました…
そんな事をジョージ様達とお話し、招待客の皆様とも楽しくお話をさせて頂きながらなんとか無事に(?)主役途中退場の結婚式を終えることができました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます