第47話 水着
遠山くんと約束した川遊びまであと一週間となったある日、私は英梨々と共にショッピングモールを訪れていた。
「買うぞ水着!」
ショッピングモール内に入っている水着店の前に立ちそう意気込む英梨々。
私としてはそんなに乗り気じゃないのだけれど……。
というのも、私は肌を露出するのが好きな方ではない。よく夏になるとテレビでは海にいる水着の女子高生達がインタビューを受けているのを目にするが、よくもまあ出来るものだなぁと思ってしまうほどだ。
なので私がこう言い出すのも当然だ。
「じゃあ私はここで待って」
「何言ってんの千聖!可愛い水着を選んで遠山を落とすんだよ!」
水着で遠山くんを落とす?
でも一体どうやって?
「千聖のナイスボディを見せつけるのよ!」
私の心の中を読んだかのように答える英梨々。
というか、無理無理!
「わ、私はほら!濡れてもいい服でいいからさ……」
「そんなのはJCがやる格好よ!華のJKがそんな格好ダメダメ」
「でも恥ずかしい……」
すると英梨々は「でもね、千聖」と言って続けた。
「あなたのパーフェクトな体を見せないなんて、そんな損は他にない!」
いやあるでしょ、という言葉を私は飲み込む。
本当に?本当に遠山くんは私の水着に惚れてくれる?私の体に興味がある?
「……本当に……遠山くんは私の水着みたいかな……?」
「絶対見たいはず!ね!千聖自信持って!」
こうして、私は半ば洗脳に近い状態で、水着店へと踏み込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます