第33話 うめき声
六月のある日。
実は今日、近くの港で花火大会が行われる。今日は学校が休みなので、直接声をかけることも出来ず……(学校があっても声は掛けられないと思うけど)。
「あぁぁぁ……どうしよ!誘ってもいいのかな?!」
僕は自室のベッドの上でぐるぐるぐるぐると右へ左へ回転する。
だって花火大会に誘うって、もうデートみたいなもんじゃん!そんなことにしたら好意バレバレで、距離を置かれるかもしれない。
ただでさえ、修学旅行でやらかした僕に嫌気を指しているだろう。そんな僕に誘われて果たして喜ぶだろうか?いや喜ばない。
「なんで……やらかしたんだ僕……」
今になって修学旅行の愚行を再び後悔する。
三日目に謝ったはいいものの、許すという返事をもらったわけではない。だって逃げられたもん。
ダメだ、どうしてもネガティブに考えがいってしまう。
「うぐぅぅぅう……!!!」
僕は悔しさのあまり気色の悪いうめき声を上げた。
今年も部屋から花火を眺めることになりそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます