forest~その巨大な森に生きる~

御等野亜紀

第1話 序章~その世界~

その世界は自然に満ち溢れていた

その中でも一際目立つのが巨大で大きな森だった

大陸の1/6を占める中央に位置するその森は

とにかく何でも大きく

世界中に恵みと恐怖を与えていた


この森の生き物は

この森でしかほぼ生きられなかったため

他へでてくることはまずなかったが

そこにも人は住んでいた

特殊な環境で生き

特殊な森の素材を外へ運び

文明を森へ持ち帰り

その者たちは生きている


人々はいろいろな意味で感情で彼らの種族をforestと呼んだ





草の茎から伸びる葉と葉を2人の若者が飛んで移動する

背中にはそれぞれ一つでかい木の実を抱えている

草と本来言われる植物が木々のように生い茂り

本来の木々は杭を無くして登ることは不可能な太さ

光はforestの生活には基本的にない

木々が深くさらに草が生い茂る

木漏れ日を差すところは住居が作られ

それが彼らの基本的に昼夜を知る場所だった


森の出口にでるといきなり開ける

二人は眩しそうに天を仰いだ

透き通る青さの空が眩しい

「さて、今日はここで野宿だな」

一人が苦笑する

「なら一歩入って森の草の上のが安全だろうに」

「俺はこの世界の焚き火が好きなんだよ

森の中では絶対的に使えん。木漏れ日をその為に探すのは一仕事だしな」

そう言って火を起こし始める

外から貰ってきた火付け石というものを利用する


二人は木の実売人だ

背中には1つの実しか抱えてないが

これを割りくりぬいて中身をグラムで売るのだ

forestの森の果実は実に珍味で美味しい

しかるべき街へ行けば小1時間で売れる

もっと運びたかったが森が物理的に

台車などを使えなくしていた


深い森の大きな木々は光を通さぬ中で

底なし沼のような形状を模していた

船のようなもので渡ることは可能だが

それよりは木の実一つで外へ運ぶのを繰り返したほうが効率がいいのだ


とりあえず森を背に開けた草原で二人は夜を明かした

森を背にしていれば草原の生き物は寄ってこないことを

ふたりはもう気が付いていた


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