ちょっぴり怖い僕の体験

南無阿彌 まみむ

第1話

「おーいあつし澤畑さわはた君来てるぞー」

いつもよりニコニコしてあつしを呼んだ。“いつもは無愛想なのに”


あつしのお父さんは汗でTシャツがびしょびしょだった。手にはショベルを持ち首にかけたタオルに泥がついている。


“…なんだろう。”


庭に大きな深い穴を掘っていた。


僕は土曜日の午後、嘉山淳かやまあつし君の家に遊びに行ったんだ。あつしとは同じクラスで家の中はたいていわかっていた。


いつものようにあつしの部屋に入って、フォートナイトのゲームをして遊んだ。特に話すこともない。


宙星そら、ジュースのむ?オレンジでいい?」


「うん、何でもいいよ」


あつしはオレンジジュースを2本持ってきた。


「これマルヤスーパーでチョー安かったっておばさんがくれたんだ。飲むんならいくらでもあるからね 」

と言うと、前歯が一本抜けたところから舌が見えた。


賞味期限1ヶ月前だ。ギリ大丈夫だ。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る