『未来人』
やましん(テンパー)
『未来人』
これは、妄想的、自己中心的、フィクションです。
🔥
ある、晩のことです。
あ……………、昔から、怪しのものは、夜中に出るものとされることが多いようですね。
オカルト番組も、クライマックスは特に、なぜだか、わざわざ、夜中にロケをするような気がいたします。
わたくしが子供時代には、もっぱら、伝統的な怪談映画が、真夏のテレビ風物詩でしたが、最近はあまり見た覚えがありません。
さて、で、その時のこと、ですが。
ぼくは、寝られる晩と、寝られない晩と、交互にやってきます。
それで、普通です。
体を壊して、職場で疎んじられ、上司からも、後輩からも無情に責められ、早く退職し、社会からも、奥さんからも見放され、ひとりぼっちの生活でしたが、それも、終末が近寄っているようでした。
昼と夜を、勘違いしたのか、就寝するのは、だいたいは、いつも、午前2時くらいです。
しかし、すぐには、寝られない。
いまは、お薬の力を借りております。
まあ、それ自体は、仕事を辞めてしまったので、さして影響は出ないわけです。
疲れるだけです。
さて、で、その晩は、いつものように、まだ、起きておりました。
午前2時過ぎになり、睡眠導入剤を飲んだ直後、まったく、唐突に、彼女が現れたのです。
『わっ。びっくし。あなた、どなたれすか。幽霊さんれすか?』
ぼくは、多少、ぼんやりしだした意識の中で、でも、確実に尋ねました。
その、積もりです。
『あたくしは、除染に訪れました。』
『はい? じょせん?』
『そう、環境保護と申し上げるべきかもしれない。』
『か、かんきょう………… 』
『保護です。実は、この辺りで、非常に怪しい現象が、頻発するとの通報が相次ぎまして、居住区内でも、なかり、大きな問題となっております。我々は、科学で解明し、解決できないことは、ないと、確信しております。実際、大部分の異常現象は、単なる自然現象だったり、勘違いだったり、見間違えだったり、人為的創作だったりするのです。・・・・・・
しかし、このあたりで、頻発するとされる現象は、まだ、説明がつかないのです。
そこで、調査の範囲を広げることにしました。
で、今夜、ついに、原因を発見いたしました。』
いやあな、感じです。
ここまで言われたら、誰だって、こいつは、危ないと、思うでしょう。
案の定、まず、こうきました。
『だから、あなたに、会いに来ました。』
『はい〰️〰️? いくらなんれも、失礼ではありませんかあ? 唐突な。まず、身分を明かしてくらさい。お名前は?』
『あたくしは、地球政府異常現象駆逐局の駆逐官、あやめ。時間的に言えば、ここからは、およそ、300年後の時空間にいますが、我々の空間は、予期せぬ異空間との異常接触により、物理現象が非常に不安定になっています。幽霊現象があとをたたず発生しますが、そのうち、10 パーセント程度は、過去の影響があると、わかってきました。ここは、300年後には、アウフタクト星人の居住区になりますが、彼らは、非常に、敏感なのです。地球人には、見えないものが見え、異常な音を感知し、悪い影響を受けます。いまや、アウフタクト星人の助けは、大気や、海洋や、あらゆる環境汚染、温暖化の中で、地球人が生きていくために必要な、酸素や、食糧の供給を維持するのに、欠かせません。地球は、彼らなしには、生きられない。では、はっきり、言いましょう。犯人は、あなたです。』
『は、は、犯人? なんの?』
『あなたは、死後、悪霊になります。そうして、長く、このあたりに害を与えるのです。あたくしは、それを、防止します。覚悟してください。』
『うな、むちゃくちゃなあ。』
ぼくは、叫んだのです。
その、積もりです。
しかし、そこから先は、お薬のせいなのか、なんなのか、すぐに寝て、しまったらしく、わからなくなりました。
💊
翌日から、ぼくは、人生すべてが、ひっくり返るような事態に追いやられました。
あれよあれよと云う間に、ぼくは、庭から貴重な財宝といますか、資源と、申しますか、が現れたりして、大金に恵まれ、短時間のうちに、大富豪にのしあがりました。
身体の方も、ぐんぐん、良くなったのです。
市長さんに推され、やがて、県知事になり、最後には、環境保護維持省の大臣になりました。
あの、たぶん、夢か妄想に現れた、あやめさん、とかいう、その、彼女の属する官庁の起源にあたります。
そうして、功なり名とげて、ぼくは、大往生しました。
悪霊になる、理由はなくなりました。
〃・👁️》》・・・・・・《〓〓〓》?
👻
『未来人』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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