28

オレンヂジュースをグラスに注いで、一息に飲み干す。

足りないものはそんなんじゃ補えないけれど。

君の闇は深く透明。

舌に感じる微かな苦み。

微笑みだけじゃ何も救えない。

君は毎日その身に何かを取り込んで、生きている。

グラスに注ぐのはジュースだけじゃない。

叶えられない夢のようなものを糧に、君は大きく歪んでゆく。

肯定した闇は優しくグラスを差し出す。

ありがとうを言う君の微笑みは、何の意味もない。

透き通る闇は意味を持たない。

君は君で名前を付けて育てている。

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