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風が駈け上る坂道を

顔を上げて進もう。

ザワザワ木々は

ずっとヒントを喋り続けてる。

下半分で昇りくる月は

晩秋の赤い果実みたい。

夜猫の集会は最初の半月。

産まれたばかりの仔猫の名前持ち寄って。

坂の上で待つ自転車は

懐中電灯で呼び掛けている。

僕らは二人で家に帰る。

両手一杯に君へのお土産を持って。

眠る君にあげよう。

こぼれないよう両手にすくった毎日を。

開け放した窓から灯が見えたら

期待して待っていて。

もうすぐ帰るよ。

二人で家に帰るよ。

この毎日を君にあげるよ。

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