第32話 運命ってやっぱ…。
自分の気持ちを落ち着かせるために冷蔵庫からアイスコーヒーを出して一杯。
ちょっとよーく考えてみよう。
なんだかさっきから当たり前のようにあたりまえじゃないことを言われて何が何だか分からなくなっていた。
えっと、俺が機織家を助けて…ってところからあんまりよくわからない。
特に何かをした覚えがない。
ちょこーっと唯音にアドバイスをあげたことあるが、根拠のない暴論だったし、変わろうとしたのは唯音自身なので俺はほぼ何もしてない。
そのうえ、なんかようわからん話があったような…。
なんだか嫁だとか二人侍らせるとか言う単語が聞こえた気がする…。
あまりに疲れたためにそんな妄想をしてしまったのかもしれない。
うんきっとそうだ!
そういうことにしておかないとなんかいろいろやばい気がする。
「えっとですね、俺は特に何もしてなくて、唯音は自分で自分を救ったのだと思います。もしかしたら、その一助になってるかもしれませんが、そんな機織家の救世主とかとんでもないです。そして、もっと自分自身をね、大事にしましょう。」
「ふーん。伝わってないなあ。じゃあもう率直に言うね。私は遥眞君のことが好き。だから、結婚を前提に付き合ってください。」
(…………………………………えっ?)
「えっ?」
「遥眞君のね、その…なんていうか、冬場にもぐりこんだ布団が時間がたってほっこりしてきた時くらいに包んでくれる温かさ、安心感、優しさにね私は惹かれたんだよ。前々から唯音に話は聞いてたけど、今日直接確認してそれがよく分かった。」
「あ…っと?」
「今じゃなくてもいい。そりゃ今日会ったばっかりだもんね。でもさいつか、大事な選択をするときに私のことが頭に浮かんでくれると嬉しいな。それじゃ。お話聞いてくれてありがとう。」
「あっ!」
すごい意味深な視線を残していった唯華さんにかける言葉も見つからず、唯華さんは帰って行っちゃった。
え?告られたんだよね?
なんか凄いあっさりしていて余裕のありそうな後ろ姿だった。
普段だったらたぶん飛び上がって喜ぶであろうその事実が今は重たい枷のように思考に絡みついて離さない。
え?なんだったんだ?
小一時間ほど固まっていたであろう。
突然かかってきた電話により再起動した俺はスマホの画面を見ると…唯音からだった。
『もしもし?』
『あっ!遥眞!とつぜんにごめんね!なんかさお姉ちゃんの様子がおかしいんだけど遥眞知らない?』
『どんな風におかしいんだ?』
『ん~となんか顔を赤くして恥ずかしそうに悶えてる。』
『え?まじ?』
なんかさっきまでの余裕ある女性ですみたいな態度はどこ行ったのだろうか。
そんな状態になった原因はもうたぶんさっきの告白だろうけど…。
さっきつゆほども動じてなかったじゃん…。
『唯華さんって意外と純情?』
『え?なんで?まあすごい純情というか、乙女チックというか、まだシンデレラに憧れてそう。』
『なら原因はわかったからそうっとしておいてあげて。』
なんとなく唯華さんのことが分かった。
たぶんおっちょこちょいな人だ。
そして素直な人だ。
『遥眞がそういうなら…。でさ遥眞…。』
なんかすごい嫌な予感がする。
『今日お姉ちゃん泊っていくらしいの。』
『そうなんだよかったねそれじゃ!』
『だから私たちの分のご飯作ってほしいなって…。』
『唯華さんご飯作れないの?』
『うん。』
『はあわかったよ…。家来る?』
『うん!行く!』
『唯華さんもつれて…。』
『遥眞?』
『ああ。なんでもない。唯華さんもつれておいで。』
『うん!ありがとう~。』
唯音のこの一言ですべてが報われた気持ちになる。
やっぱり俺は…。
唯音のことが好きだ。
あんなって言うのもあれだけど、許嫁とか時代錯誤だし結婚は本人たちの意志って民法にもあるし。
与野さんには申し訳ないけど…。
~2年後~
後から考えると…この二日間がすべての起点だった気がする。
この二日間でいくつもあった選択肢。
この時にこう選んだから今の俺がある…なんてたいそうな事は思えないけど…。
でも、不思議とこうなる予感はあった。
苦はなかったとはとても言えない険しい道だったけど今なら自信を持って言える。
「運命って存在するんだね。」
隣にいた人影もこくんとうなずいた。
______________________________________
一応…
まだ続きますからねー。
そして…読んでいただき本当に感謝です(人''▽`)ありがとう☆
どうぞ最後まで見捨てないでください(´;ω;`)
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