金延伝説〜頭が臭くならない星の王子様編〜

 私の名前は金延カタストロフィ・エクスカリバー。


 今は金延大市かねのぶだいしという名前で社会復帰し会社員をしている。


 変態だったあの頃と比べて今は随分真面目になり、とんでもない変態宇宙人はキッパリと卒業したのだった。


「あぁ〜。朝から頭痒いなぁー」


 金延。その正体はH31500惑星からやって来た変人超人である。


 奴は地球にやってきてから二年間もの間裏山にあるシェルターに隠れ虫を食い漁っていた。


 そして暴走し、プリズンにぶち込まれ、今は真っ当な人生を歩む国民の一人なのだ。


 勿論、もう人を困らせるような変態事をしないと誓って毎日を過ごしている。


「先輩……。頭くさすぎっす、お風呂行ってください」

「俺が宇宙人だったころはな、頭だって洗わなくても臭くも痒くもなかったんだよ」

「はぁ、またその話ですか。変な冗談言わないでください」


 嘘ではない。俺は確かに宇宙人だった。


 H31500星の意味は『皮脂最後惑星』。皮脂が最後を迎えると最強になり、汗などにも耐性がつくのだ。


 だが今の俺は宇宙人から日本人になったのでその耐性はとっくに消え、この惑星の決まりである『身体を洗う』という行為を毎日しないといけなくなった。


 非常に面倒くさい。


「ねえねえおじさん臭いよー」

「ほら、先輩。子供にも言われてますよ」


 俺は自覚している自分の身体が今猛烈に臭いことくらい。


 だけど、身体を洗うことに抵抗があって、そう簡単なことじゃないんだ!


「金延カタストロフィ・エクスカリバーこと金延大市。身体が猛烈に臭い未遂で逮捕する。署まで同行願います」

「またか……」


 俺は人間のようになっても悪者あつかいされる可哀想な宇宙人だ。



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〜金延伝説〜厨二病に目覚める変態 星海ほたる @Mi510bunn

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