第6話 一夜の物語


月が愛しているよと囁く傍らで

星が傍にいるよと呟いている

夜露に濡れた肩を互いに抱き合い重ね

一夜の物語は今、始まる


わたしの胸に落ちたあなたの背中に

手を廻し髪を撫でれば

胸と胸の鼓動が響き合う

波打つように身体がうねり

白い腕にたくましき腕が絡んで

潤い溢れ

宵の空へと昇りゆくよ


儚く壊れそうな恋だから

この手の中に永遠をつかむまで

月の囁きさえも

星の呟きさえも

二人の吐息で消えてなくなるほど

愛してよと願うの

窓辺から零れる月灯りが

朝の光に変わるまで

一夜の物語

あなたの口から聞かせて










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