すみれ色

おちば

第1話

爪を塗った

新しい色


目が醒めるようなすみれ色

あなたにいちばん近い色

情熱と微睡みのあいだに


切れ長瞼の、その端に

涙と見紛うほどに

いつも然り気無く乗っている

宇宙の色


気付いて欲しくて遠くから手を振る

あなたの隣には誰もいないわけがないのに

紡ぐ言葉も聞こえない

わたしは蜃気楼かな


気高い匂いが風に乗ってやってくる

爽やかで、品とやわらかな妖艶さを纏う


わたしに?手を振り返してくれるの?

幻じゃなくてもいいの?

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