第2話

夏休みになると毎年1週間だけ、母方の祖母の家が新潟の田舎に遊びに行く。家を出て何歩か歩けば海が広がってる。東京から車で約6時間、私はいつも楽しみだった。友達が少ない私は海が友達だった。海は裏切らない。悪口も言わない。私の悩みを言っても返っては来ない。でも静かに悩みを聞いてくれる友達に会うのが1年に1回の楽しみだった。新潟に向かう車に揺られる6時間。私にとっては短かった。

「お母さんーただいまー!帰ったよー!」

「お邪魔しますー!」

元気なお父さん、お母さん。

何故こんなにも静かな私が生まれたんだろう。といつも考える。

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