第8話 二人目の子供?

「子供ができたらしい」

開口一番はその言葉だった

「おろして欲しいと言った」

「却下された」

「生まれたら養子にほしいといった」

「却下された」

「結婚するか養育費を払えといわれた」

「結婚もしてないのに養育費を払う必要があるのか」

ここで始めて私は口を開く

「知らないわよ弁護士じゃないんだから」

「すくなくとも認知すれば養育費は払うんじゃない?」

「わかることは私一人なら生活できる

アパートの収入があるからね

でも輝の育児費まではでない

別れて向こうと結婚しても養育費を請求する

それには変わりないでしょう」

「あいてがいくらの養育費を求めているのか

知らないけれど」

「10万だ」

ふーっ

「片親なら手当てもでるはずよ」

「金額は家裁であらそうのね」

「別れたきゃ別れてあげるわよ」

「養育費は払えるだけ払えばいい」

「でももう遊び金は浮いて来ないわよ」

「シビアだなぁ」

「当たり前でしょう2児の父親になるんだから」

「それとも心当たりがないほかの奴の子だと

家裁で争う気?」

「心当たり大有りだし…」

「ならば認知して養育費払うしかないでしょう」

「お前って冷静な

もっとこう火がついたようなヒステリーで

相手の事なんかしっちゃことじゃない

別れて来いおろして来いとかいうと思ってた」


「それも含めて雄一郎さんだからねぇ」

「心配してたことが思うより早く来ただけだし」

「覚悟してたってことか?」

「覚悟なしに結婚できる相手じゃなかったでしょうに」

「まじめに結婚式逃げるかと思ってたもん」

「そういや同じこと結婚式にも言ってたなぁ」

「どうしたいの?」

「そりゃどちらも自分の子だそだてたいに決まってる」

「2件分の育児費払えるの?家賃だって食費だって

端から要求してくるわよ」

「その上で父親はいないってことにされて逢うことも許されない」

「そんなことざらよ」

「認知しても?」

「認知しても」

「逢う逢えないも家裁で争う焦点ね」

うーんと雄一郎は考え込んでた

この状況で考えない奴も少ないだろうが


「家賃だけ払ってやればパートにでればおそらく

生活できるはず」

「家賃かぁやっぱ7,8万かぁ」

「どんだけ豪華な家住んでるのよ

ここの家賃4.5万よ?」

「まぁ建てた時は7万だったらしいけど

どんどん安くなっていったからねぇ」

「まず引越しをうながすにも頭金がいるし」

「引っ越した方が長い目で見れば安くつくかもだけど」

「そう言えばどんな奴なのよ。相手は」

「おみず」

「なら認知しない方向もあるわけね」

「へ?」

「相手が雄一郎一人とは限らないってこと」

「血も繋がってない子を自分の子としてそだてる

はめになってるのかもよ?」

「かやは俺の子に間違いないと言ってたが」

「かやって商売名?」

「そうだが?」

「本名は?」

「しらん」

「だーーーーっあんた馬鹿?本名も明かさない女の子供

育てる気なの?もろ相手の術にはまりこんでるじゃない

叩けば心当たりのおとこなんて2、3人でてくるわよ!」

はぁはぁはぁ

思わず大声上げて息が切れた

「もっぱら俺の相手しかしてないと言ってたし」

「処女だったわけ?」

「いやそれはないと思うが…」

「水商売してる人間がみんな体裁を保ってないとは言わない」

「だけどね。女であることと母親であることは別なの」

「子供を生みたきゃ生ませとけばいい水商売してるなら

わざわざ養育費をいれる必要なんてない」

「たぶん雄一郎貴方より稼いでる」

「ほっときなさい強姦したわけじゃなし相手にも責任はある」

「そのうち降ろして知らん顔で働いてるわよ」

「俺の子の確立は?」

「あるわよもちろん。でも2つの家庭を崩す気?」


「結婚するなら仕事をやめてパートに切り替えて

 本名明かして子供のDNA鑑定の許可を得てごらんなさい」

「それ全部OKだせるなら私が別れてあげるわよ」

「2LDKで4万5千きっちり払うならどんな女と結婚しようが

私との関係は基本変らない輝はここにいるのだし

結婚相手が妖怪を受け入れれるかはしらないけどね

それを隠して結婚は不可能なはずよ」


結局


女は養育費が欲しかっただけで生んだふりして生活するつもりで

当然に雄一郎に合わせる気も無く

結婚だのDNA鑑定だの持ち出したら尻ごみをはじめた

妖怪話はちゃちな嘘話として信じてもらえなかったらしいが

結果話は破談となり現在変らない生活が続いている


あ変ったわ

雄一郎が女遊びを控えるようになった

正確には向こうから誘うぶんには乗るが

自分からひっかけることはなくなったというべきか

相変わらず危険な事にはかわりがないが


よちよち歩きの輝と遊ぶ姿は

父親そのものだと思う

ちょっと甘やかしすぎだが

父親なんてそんなもんだろう


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る