第35話【純文学】
祖父の残した本棚に沢山の本が並んでる。
芥川龍之介、菊池寛、夏目漱石、名前だけはもちろん知っていた。
既に他界した祖父、埃が被る一冊を手に取りページをめくる。
はらりと落ちたのは、検査結果の紙。
晩年入退院を繰り返した祖父を支えてくれた本なのだろう。
そっと胸に抱き懐かしい姿を思いだす。
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