詩集 日々の書

@anonyma

腹が痛くて眠れない

腹が痛くて眠れない

腹というより、鳩尾というやつだ

誰かが私の胃の入り口を片手でつかんで縊っているような痛さだ

ころげまわるほどではないが、眠れないには十分だ

たいがい温めるしかないのだけど、先程まで熱い程のタオルを当ててじっとしていたのだ

しかしタオルが数℃冷めただけでこれだ

気難しい客のような痛みだ


病院には痛みはあふれかえっていて

私の痛みなんてとるに足らない痛みだ

一晩放置したって死にそうにもない

ただ痛くて眠れないだけなのだから


それでも我が身が抱えるのはこの痛みしかなくて

眠れないのも苦しんでいるのも私でしかなくて

手持ちの痛み止めももう明け方までは使えなくて

そもそも痛み止めが効いていればこんなに傷むはずがないのだ


まだ遥か夜が明けるまで私はこの痛みとどうすごそうか

ああ、窓の外の夜景はきれいなのに

我が身にはいかんともしがたい痛みがある

このまま痛みで眠れないまま

ただ痛いと思いながら、我が身をちぢこまらせる他はないのか




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