第7話おぷしょん機能は魔弾。略しておったまぁー

 外にいる者達は、騎士達を含め空を仰いで、何だ、何だ?と同じ所を見ている。

 これが、魔竜討伐記念の花火だったら皆、癒されるよね?


 皆さん安心して下さい。『今の所』大丈夫です。


 上空の浮いている物のヤバさに理解した者から、声を張りあげながら、全力で走り出す。


 そこからは、あっという間だった。


 方々から逃げろ、魔王の襲来だ、神の裁きだ、起きろ、死ぬぞ、ぴえん、の言葉が飛び交っている。


 街の危険を知らせる警告の鐘の音。


 もうね、終末期を見ているようだね。ははっ。


 騎士は偽勇者の件に構っている暇はなさそうだ。忙しそうに走り回っている。


 この明るさなら問題ない。俺達も行こう。

「ミーナ、走るぞ」

 走りだそうとした時、ミーナは俺の服の端をつかむ。

 ミーナの顔はいつも以上にだるそうだ。

 おぃおぃ魔力が尽きたとか言わないでくれよ。

「魔力か?」

 ミーナはくびをふるふると横に振る。

「魔力はまだある。ただ、歩けない。立っているだけで……人生疲れる」


 ニート属性出すの止めろ。

 世の冒険者さん達は、歩くどころか日々戦ってるからね。



 厳正なる協議の結果、マリアンとミーナを小脇に抱える。


 両手ならぬ、両脇に華である。

 まるで、人さらいのようだ。


 何だこの格好はと不思議に思っていると、聞きなれたピロンと心地のよい音と共に、音声が流れる。


「アイテムを拾いました」

 アイテム「女魔法使い(上物)」

 特殊効果

 魔法使い切れからはぁはぁと回復する事が出きる。

 …………。


 

 さっきさぁそこの道端でさぁ、魔法使い拾ったんだ。

 えぇっ、いいなぁーっ。

 てあるかいッ。


 アイテム屋で冒険者が、ばぁさん、いつものポーションと魔法使い三つとか言うの?


 魔法使い切れって、魔法使い属性ラブ回復して、さぁ次のダンジョンの攻略だってなるの?



「ミーナお前、アイテムに分類されてるぞ」

 ミーナはこくこくと頷く。


「わかった。大丈夫」

 絶対にわかってねぇな。


 じゃあ、行くぞっと街の門を目指す。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る