セクハラでしょ!?

「はぁ..こんなにお風呂入りたくないの初めてだ...」

 やっぱり自分の体って分かってはいるんだけど...

「これから毎日こんなこと考えるのも嫌だし...割り切るしかないか...」

 色々考えているうちにお風呂場へと辿り着いてしまった。

「よし...入るんだ...僕は...今...ここで服を...」

 決意を決めて服を脱ぎ始める。

上着と、ズボンを脱いだその時...

 僕は洗面台にある“鏡”を見てしまった。

そう、鏡。皆も知ってるよね?鏡。

自分の姿が反射する道具。

一応説明しておくと、鏡には自分の姿が映るんだよね。


じゃあいきなりだけどここで質問。

Q 僕の今の格好は?

A 下着姿です。

そう、下着姿。

次の問題。

Q 今僕の目の前にあって僕が見てしまったものは?

A 鏡です。


 ここまで丁寧に言わなくても分かってると思うんだけど、

鏡に映ってるのは僕の下着姿なんだよね。

 反射するブラと、女の子用のパンツを履いてる自分...

 想像できないと思うけど、そんな時皆ならどうする?

恥ずかしくなって服を着るとか色々あるけど

僕がとった行動は

「あ...やっぱりなくなってるんだ...」

そう、現実逃避。

上には二つのがついていて、下についていたはずのはなくなっている、という考えればわかることを今更、本当に今更、鏡を見た時に突き付けられた感じになった。

「はぁぁぁ...重たくない...?」

僕の心もそうだけど、胸についてる双丘を合わせたダブルミーニングッ!!

...なんて言ってる場合じゃないか...

多分これ...アルファベットでいうと...4番目か5番目ぐらいある気がする...わかんないけど...

お姉ちゃんもお風呂待ってるだろうし...早く入らないと...

「千秋、やっほー。」

...??

「キャッ!お、お姉ちゃん!?」

即座に服を取って見えないように自分の体を隠す。

「隠してどうするのよ。今や同性でしょう?」

「そ、それでも恥ずかしいものは恥ずかしいよ!」

「そんなことより!どうして急に入ってきたの!」

「鍵閉めてないからよ。」

他に気を取られてカギ閉めるの忘れてた!!!

「あぁ、ここに来た理由だけど...」

 よく見るとお姉ちゃんはメジャーを持っていた。

「丁度良いから色々測ろうと思って。スリーサイズとか、身長とか。」

「スリッ...!そんなの測らなくてもよくない!?」

「駄目よ、また服買いに行くんでしょ。」

 そ、そうだった...千尋がお姉ちゃんに嬉しそうに話してた...

「じゃあお店の人に測ってもらう?それよりは良いと思ったんだけど。」

「た、確かに...」

 そこまで深く考えられてなかったかも...

「じゃ、じゃあお願いします...」

「ええ、全部私に任せて...」

言い方なんかやばくない!?


モミモミ...

「ふぅん...かなり大きいわね...」

「お、お姉ちゃん揉んでるでしょ!?」

これ絶対お姉ちゃんの欲でしょ!?


 そうしてセクハラ?を受けながらお姉ちゃんに隅々まで調べられた...


「やっぱり身長は縮んでて149.2cm、体重は41kgほぼ平均かしら...後は...」

 スリーサイズに関しては黙秘権を使わせてもらいます...

「もう測り終わったでしょ?僕、もうお風呂入るから...」

「あらそう、ごゆっくり。」

僕は色々見ないように気を使いながら入浴を済ませた...

はぁ...もう寝よ。

今日一日で一生分の出来事味わったよ...

くたくたになった僕はお風呂から出てすぐにベットに飛び込んですぐに眠りに就く。


 こうして僕の性別が変わって初めての一日が終わった。

そして今日が新しい生活の始まりだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る