やっぱりよくないかも...
「わぁ...ここがEON...!」
「そう、色々なお店が入ってるの。」
「スーパー行こうとおもってたけど...家にあるのはこれだから...これとこれだけ買えばいいかな。」
こうして考えると買うものあんまり多くないなぁ...
そこで僕はふと思いつく。
「小春さん、買い物に来たのはいいけど、買うものほとんどないからちょっとEON一緒に回ってみない?」
小春さんはパァと顔を輝かせて、
「え?いいんですか!実はどんなお店があるのか気になってて...」
「にぃ、ぐっじょぶ。」
千尋がグッと指を立てて言う。
「まぁでもお姉ちゃんも早く帰ってくるからそんなに長居はできないけどね。」
スーパーで買い物する時間も合わせて...
「ここに居られるのは30分ってところかな?」
「ん...お店の中入ってる時間ない...」
千尋が悲しそうに言う。
「まぁまぁ、別に今日じゃなくても来れるでしょ。」
「ん、確かに。」
千尋は納得したようで、
「今度はねぇねぇも連れて4人で来る。」
「そうだね。」
「そのためにも今日は楽しみを貯めておこうね。」
「ん、わかった。」
「じゃあどこから回ろうか?4階まであるけど...上から下に降りていく感じでいいかな?」
「おまかせします!」
「ん、いいと思う。そうすれば帰りにスーパーにも寄れる。」
「そういうこと。」
「じゃあわたしのおすすめのお店から紹介する。」
「ふふ、お願いするね?」
千尋は僕達の先を歩き出す。
千尋がこうやって前を歩くってことはあまりないから本当に気分があがってるんだなぁ...
「あ、」
そうすると先頭を歩く千尋はクルッと回って僕の方を見ると笑って、
「にぃの服も一緒に見よー」
「ん???」
今この妹とんでもないことを言った???
「あ、それいいね!じゃあ服屋さんを中心に見て回ろっか!」
小春さん??いいねじゃないですよ??
「お兄さんボーイッシュな服もガーリーな服も似合いそう...」
真面目に考えないでよね??
そうして僕は30分間ずっと服屋さんの視察に付き合った。
...はぁ......まぁ小春さんと千尋が楽しそうにしてたからいいか...
......やっぱりよくないかも......
「にぃ、楽しかった、ね?」
う、こんな笑みで言われたら何も言えない...
「うん、僕のために時間を使ってくれてありがとう。小春さんも。」
「いえいえ、私も楽しかったです!」
「今度は4人でにぃの服買いに来る。いい服色々あった。」
「うん...楽しみにしてるね...?」
小春さん達の楽しそうな顔をみるとこういうことしか出来なかった...
気分の上がっている小春さん達を前にスーパーで買い物を済ませた僕たちは家に帰るために歩き出した。
「楽しくて30分が5分ぐらいに感じたよ...」
嬉しそうな小春さんを横目に僕は、
僕は倍ぐらいに感じたけどね...と思ったけどそれは口に出さないようにした。
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