ああ......

「そんなの顔を見れば大体分かるわよ。」

「えぇ?」

「ねぇねぇ、やっぱりすごい。」

これ、すごいで済ませていいの?

「ああ、もちろん千秋の考えてることも大体分かるわ。」

えぇ?

「ふふ、今日の晩ご飯はいつもより賑やかになりそうね。」

「今日は頑張って早く仕事終わらせて帰るわね。」

「うん、今日もお仕事頑張ってね。」

「ねぇねぇ、がんばれ。」

「ええ、かわいい弟達の応援されたら頑張らない訳にはいかないわよね。」

とお姉ちゃんは微笑む。

「千尋のお友達、楽しみにしてるわね。」

 なんだか小春さんとお姉ちゃんは話合いそうな気がするな。

「ん、楽しみにしてて。」

千尋は微笑む。

「ええ、それじゃあまた後で。」

「うん、また後で。」

そう言うとお姉ちゃんは生徒会室へと入っていった。

「さ、そしたら僕達も晩ご飯の買い出し行こうかな。」

その前に小春さんを迎えにいかないとね。




さ、正面玄関着いたけど...

「にぃ、あそこ。」

千尋が指さす先には小春さんがいた。

 僕達は小春さんがいる方へ向かって行った。

「小春さん、お待たせ。」

「あ、お兄さん、全然待ってないですよ。」

「小春、どうだった?」

多分許可が取れたのかどうかを聞いているんだと思う。

「あ、うん、大丈夫だったよ?」

 小春さんも分かってるみたい。

千尋は言葉足らずなところがあるけど、仲良くなれば足りない言葉を察することも簡単になる。

「そっか、許可取れたなら心配することはないね。」

「今から晩ご飯の買い出し行くから着いてきてもらってもいいかな?」

「はい、全然大丈夫です!」

うちの学校から歩いて5分ぐらいのところにEONイーオンというショッピングモールがる。

 そこに行けば大抵のものがあるから、学校が終わった後に遊びに行ったり、

放課後には制服姿の生徒も目立つような場所になっている。

「じゃあEON行こっか。」

「ん、了解。」

「EON!!EON行くの初めてなので楽しみです!」

......え?

「そ、そうなの?」

「そうなんです!家から出る機会が学校以外あまりなくて...」

まさか、この人も...?

「ん、言うの忘れてたけど、小春、この学校の理事長の孫だよ。」

え??

「お父さんも大企業の社長。確か『アッポー』て名前の。」

「え、あの?スマホとか作ってる?」

「そう。」

アッポーはスマホ国内シェア50%近くを占める大手の会社。

その会社の社長の?娘さんが?小春さん?

ああ...そっか...

「結局僕の周りに常識人はいないのかな...」

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