え、学校ホントに行くんですか!?!?

そんなこんなで僕は一人、部屋でこの先どうしようか考えていた。


「はぁ...病院行こうかな...?でもこんな症状聞いたことないし...今日の学校体育あるし絶対に行っておきたいんだけど...」

 そう...今日の体育はがあるのだ。それを楽しみに学校に行っていると言っても過言ではない。

「でもなぁ...うーん...」


バンッと部屋のドアが開かれると、

「千秋。早く着替えるわよ。」

「わぁ!?お姉ちゃんか...びっくりした...」

「でも...僕今日学校行くか迷って...」

僕は顔を上げて姉に学校に行くか行かないかを相談するつもりだった。

だが......

「千尋の予備の制服ここにあるから使って。私のじゃ千秋のサイズに身長的に合わないから」

う、この人ナチュラルに僕がお姉ちゃんより身長低いことに触れてくる...

 有無を言わせない迫力で淡々と準備を進めてるよ...

「しかも千秋、身長縮んでるでしょ?多分5cmぐらい。」

「えっ?ほんとに?」

噓でしょ?変わってる感覚はないんだけど...

「ええ、多分あなた千尋よりも背低くなってるわよ。」

「え!?最近抜かしたばっかりだったのに...」

そう、僕は元々背が高い方ではない。というか少し、本当に少しだけ低い。

僕の身長は154.7cm。千尋は154.5でようやく身長抜かせたと思って喜んでたのに...姉曰く5cmも縮んでいるらしい。てことは149cmぐらい...?そんなことより...

「お姉ちゃん?もしかして僕今日学校に連れていくの?」

「?そのつもりだけど」

「えっ」


「えっ」

「行かないつもりだったの?」

「いや、迷ってたというかなんといいますか...?」

「じゃあ行きましょう。今日はあなたの好きな体育もあるでしょ?」

「体を動かすのは好きだけど!?でもさぁ...?」

「なるほどね?ちょっと待ってて。」

お姉ちゃんは僕の部屋を出てどこかへ行った。


「でもなぁ...別に男の制服でも...」

そういって僕は自分の制服を手にとってパジャマの上から着てみようとする。

普段から緩めの服着ているからパツパツにはなってないけど...

「......あれ?」

制服を着ることが出来なかった。

「胸のせいで制服入らないんだけど...?」

こいつ......もしや結構大きいかも...?


一方その頃、姉はというと...

「千尋、ちょっと千秋の部屋まで来て。」

すると千尋は全てを察したようで...

「にぃ学校に連れていくんでしょ。準備出来てる。」


「うーん...こいつが邪魔で...どうしよ...?」

そんな風に僕が困っていた時.......

バンッ

「わぁ!」

「やほ、にぃ。」

「2人共ドア急に開けるのやめて!?」

お姉ちゃんが部屋から出て行ったのは千尋を呼ぶためだったらしい。

「にぃ、これ着けて。」

そういって何かを手渡された。

「ん?これ...」

「私使ってるやつ。ねぇねぇが言うには多分大きさ同じくらい?」

「待って待って待って??」

 そう、手渡されたものはまぁ...女の人が胸を支えるためにつける、いわゆるというやつだった。

「え!?やだよ!?僕男だもん!」

「付け方教える。」

「あれ!?もしかして僕の声聞こえてない!?」

「先に前で止めて後ろに回すと...」

「ちょっと、千尋!?!?というかお姉ちゃんもなにか言って!?」

 一緒に部屋に入ってきていたはずのお姉ちゃんの方に視線を寄せるとニヤニヤしながらこちらを見ていた。

「さっさと着けなさい。学校遅れるわよ。今日の授業楽しみにしてたんでしょ?」

そうお姉ちゃんが言う。

絶対に僕に女装させたいだけでしょ...

いや?もう女装でもない...?なにがなんだかわかんなくなってきたよ...

そうだよね...?僕は今女の子なんだ...

それに今日は楽しみな授業もあるし...

僕は開き直って叫んだ。


「よっしゃああ!!学校行くぞおお!!」


そうして僕は今日学校に行くことに決めて妹から借りた制服に腕を通した。

...あれ?これってほんとに正しいの?まぁいっか...




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