女神が僕らを離さない!!
坂ノ清
第0話 プロローグ
カーテンから漏れた光で目を覚ます。
外からは鳥が鳴いている声がする。路上を走りながら特ダネを書いた記事を大声で宣伝している少年の声も聞こえてきた。
そんな周りから聞こえる日常の音に妙な新鮮さを覚えながらもいつものようにベッドの上で起き上がる。
布がこすれる音に反応して隣で寝ていた可憐な少女が目を覚ました。
少女は腰まである神秘的さを醸し出した金髪をベッドに乗せて、目をくしくしとかいている。
それから起き上がり俺の胸に顔を埋めてまた寝ようとしているところを引っぺがすと、彼女の重たい瞼が徐々に上がっていく。
そうして見えた彼女の翡翠色の眼はあらゆる男を魅了してしまうほど綺麗で澄んでいた。
窓から指す光に照らされ輝く彼女の白い肌には神々しささえ感じてしまう。
「おはよう、ディア。」
「ん、おはよう、クラウン。」
まだ寝ぼけている少女、ディアの頬をつんつんしてやると気持ちよかったのか俺の手の甲に頬を擦りつけてきた。
そんな愛らしい彼女を見てほほえましさを感じつつベットから離れ立ち上がりカーテンを開ける。まず見えたのは窓に映った自分の姿。
光を通さない漆黒の髪と眼。
髪は耳や目に少しかかる程度の長さで身長は170センチほどというザ・青少年の風貌。そんな見慣れた自分の姿に少し笑いながら外の様子を眺める。
外にはレンガの家並に屋台、そして斧や剣、弓や杖を持ってその通りを歩く人たち、その中にはケモミミを生やした女性や額から角が生えている筋骨隆々の男性、それに全身鱗で覆われた巨体の女性もいた。
「んんーー!今日も一日異世界満喫しますか!!」
俺は伸びをしながら今日の抱負を声高らかに宣言した。
そう、俺は今異世界にいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます